2024年10月20日、私は60回目の誕生日、つまり還暦を迎える。しかし、前日の午後に突然、自宅に「断水」の通知が入った。しかも21日の深夜まで続く、2.5日の長い断水。我が家は幸いプールから水を汲めるので、トイレは何とかなるし、飲料水も事前に準備しているため、大きな問題はなさそうだ。
ただ、外食だけは行きたくない。自宅で愛犬たちと一緒に、いつもの環境で落ち着いて過ごしたいからだ。そんな中、妻が心を込めてアレンジしてくれた手作りの還暦祝い会場には、感謝しかない。どんな高級レストランにも負けない、温かさがあって世界「Only One」である。断水の中での還暦祝いなんて、なかなかできない経験だが、これもまた思い出深いものになるだろう。
還暦を迎え、これからの人生のキーワードはすでに決まった――それは「遊び心」だ。
「遊び心」。その実現のための鍵となるのは、「性能を落とす」ことだ。一見、逆説的に思えるが、人生の後半においてはこれがとても重要だと感じている。人生の前半戦は、完璧主義や高いパフォーマンスが重要だったかもしれない。だが、後半戦では、少し肩の力を抜き、「遊び心」を持って楽しむことが大切だ。
完璧を目指さないこと、妥協すること、余裕をもつこと、結果を気にしないことだと思う。
性能を落とすとはどういうことか。それは、何事にも全力で取り組むのではなく、時には「まあ、これでいいか」と思える余裕を持つことだ。仕事においても、常に完璧な結果を求めるのではなく、時には遊びを取り入れ、少し違うアプローチを試してみる。そうすることで、新しい視点やアイデアが生まれることもある。
「遊び心」を持つことは、すべてを軽んじるということではない。むしろ、物事を深く味わい、その過程を楽しむための心の姿勢だ。性能を落とし、力を抜いてもっと笑いながら生きる。