「支那そば」を売る小さなラーメン店、徳島駅前

 2月11日(月)、祖谷温泉(大歩危)から徳島までJRで行き、徳島から高速バスに乗り継いで夕方大阪に到着。あすからは大阪出張。

 徳島駅前でバスを待つ間に昼食を取ろうと入ったラーメン店は、「支那そば」を売っているのである。店内でも、「シナいっちょう、大盛」と威勢のよい注文が飛び交う。東京駅前にこの店が出店したら問題になるのだろうか。それとも徳島という土地柄、あまり中国人客が来ないからなのか。

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 「支那(シナ)」は中国や中国人に対する蔑称だ。現在これが一般的な見解として定着しているようだが、私は違うのではないかと思う。まず、ウィキペディアを調べると、以下記載されている。

 「このシナの発音が西洋に伝わり英語の”China”フランス語の”Chine”などの語源ともなったといわれている。紀元2世紀前後にはインドで中国を指して「チーナ・スターナ”China staana”」と呼んでいた。一方ギリシアでは紀元前後から中国をシナ(Θηνα)とよぶが、これは秦に由来する。ポルトガルでは大航海時代から現代まで一貫してChinaとよぶが、発音は日本とは少し異なり、シーナである。ギリシャ、ラテン圏では国名、地域名は女性形になることが多く、秦の国名はシーナとなる」

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 数年前、当社が顧客向けの情報配信に、「東シナ海」と記載したところ、某日系企業の中国人読者からクレームが寄せられたことがある。私は語源と史実を調べ、A4サイズ1ページほどの調査報告をその読者に送り、蔑称ではないことを主張した。それでも私の論点に納得できないのなら、ぜひ議論をしよう、その議論自体を情報配信に乗せて、読者全員に共有してもらい、みんなで考えようではないかと提案したが、それっきり、返事が来なくなった。

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 不思議なことに、「印度支那(インドシナ)」という名称は中国で使われているし、また大手ネット企業の「新浪」は、「Sina(シナ)」と称している。

 といろいろな論争もあるだろうが、すくなくとも徳島駅前のこの小さなラーメン店は中国や中国人を蔑視しているようには見えないが・・・。