女性の日に、一人の男性のつぶやき

 今日は、婦女節(国際女性の日)。

 「婦女節の休みは強制か」「働いた女子従業員に3倍の休日賃金を払う必要があるか」・・・。毎年、この日に近づいてくると、このような質問が飛んでくる。法律の話をやめよう(冒頭の二つの質問への回答はいずれも「No」だが)。人間は基本的に労働が嫌いで、遊びが好きな動物だ。少なくとも私はそうだ。

 人は皆、労働をやめるべきである。
 労働こそが、この世のほとんど全ての不幸の源泉なのである。
 この世の悪と呼べるものはほとんど全てが、労働、あるいは労働を前提として作られた世界に住むことから発生するのだ。
 苦しみを終わらせたければ、我々は労働をやめなければならない。

 著名なアナキスト、ボブ・ブラック氏の「労働廃絶論」の一節である。1年365日、土日を除いて残りの261日は、その気になればすべて名目をつけて祝日化することもできるだろう。つまり労働廃絶の世界を実現することだ。

 労働が不幸の源泉だと言っているブラック氏の論考には、問題がないわけではない(それでも一種のロジックではあるが)。不幸をなくすための労働廃絶であれば、幸福追求の価値に対する承認には異存ないはずだ。仕事で幸福を得ている人間もいるわけで、労働万悪論は果たして成り立つか。いや、でも気がついたら、「仕事」イコール「労働」かというと、必ずしもそうではない。社会における自己価値の実現、承認を求める、などなど。

 それにしても、「あなたは労働が好きか」という質問に堂々と胸を張って「嫌いだ」という人はいるのだろうか。小さなつぶやきでもいいが、私は労働が嫌いだ。でも、やめられない・・・。

 少なくとも今日は、男性節ではない。さあ、仕事頑張ろう。

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