水野氏との議論その三~破産と債務の踏み倒しの故意性

 「破産」については、破産法において法的定義がなされている。破産を、一概と「借金を踏み倒して逃げる」と決めつけるのはいかがなものだろうか。

 踏み倒しを目的とする計画的な悪質破産は当然許されるべきではない。ただ、日本本社が順調に商売を継続させながら、中国法人を破産させるというのは、ただちに悪意の計画的破産と断定できるのだろうか。

 「出資者自身が行き詰まり、連鎖的倒産」はやむをえないが、日本本社が存続し、中国子会社を破産させると、「品格問題」だという指摘だが、やはり緻密な判別に基づくべきであろう。たとえば、中国子会社が破産しないと逆に、屋台骨に響き、本社さえ危うくなるようなケースもあるだろう。必ず共倒れして連鎖全倒産にしたほうが高潔な品格になるのだろうか。この辺は企業倫理、あるいは経営者の価値観、経営観の領域であろうし、いろんな解答がありうるだろう。

 基本的に法と倫理を異なるレベルで考える必要があると思う。「某社の上司・関連部署から破産の可能性検証を求められる事」があった場合、まさにこれに該当する。水野氏が助言されている「破産の罰則」とは、あくまでも破産犯罪等悪意行為に対するものであって、懲戒主義的要素を備えている詐欺破産等が中核に据えられているものである。このような要素が認められない場合、破産可能性の検証は適法であって正当なものだと認識すべきであろう。むしろ、詐欺破産等の悪意破産以外の破産であれば、風評リスクをいかに回避するか、コンサルタントが提言し、助けるべきところであろう。

 水野氏が指摘されている事案は、経営者の故意による悪意計画倒産であれば、当然正々堂々と制止の助言、勧告をするのが筋であろう。ただ、氏は「クライアントもみんな真摯な方々である」といっておられるので、例の破産可能性検証依頼のクライアントに対しては、私は性善説的に推測しているのである。

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