中国のいいところはこれ!

 いつも中国の影、悪いところばっかり指摘し、批判しているが、中国にも大変いいところがある――人情。

 当事者同士の利害関係が一致している場合、あるいは少なくとも衝突しない場合、基本的に情が先行する場面が多い。それは日本では考えられないほど情熱的な人もいて、人間関係がすっかり冷めた日本からやってきた日本人にとって、胸が熱くなるほどの情が中国にあるのだ。

 前に一度書いたことがあるが、通常「法→理→情」の順番は、中国にくると「情→理→法」に逆転する。情があれば、理を作れてしまう――「友達だから、当然だ」。法に触れるところでも、ギリギリすれすれグレーゾーンを開拓して頑張ってくれる。

 ビジネスをやらない。趣味で中国に住みつくと、このような「情」をたくさん体験できるかもしれない。ただそれを「日中友好」だと勘違いしてはいけない。別に日本人でなくとも、親切にしてくれる。

 老人が倒れても、誰も助けないと、外国のメディアは中国人の倫理崩壊を批判するのだが、それは中国のことを知らないからだろう。倒れた老人を助けると、逆に加害者とされ、裁判でも散々負けた若者がいたから、そのリスクを知った中国人は誰もが老人や負傷者を助けなくなったのである。そこは利害関係だ。リスクを取ると、利益相反が生じ、そこで情が機能しなくなる。あくまでも利害関係の一致、少なくとも相反のないことが前提である。

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