信仰と感謝、逆境を生き抜く力

「秘密裏の支援活動、非道と虐待に負けない生命力を」の続き>

 虐待を受けている近所のフィリピン人メイドへの食糧の差し入れ、援助が継続している。彼女から手紙がやってきた。

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 ます、家内と私に宛てた手紙(抜粋訳)――。

 「毎日毎日差し入れ、送ってくださった食糧やすべてのもの、本当にありがとうございます、これで私が助かりました。私がここで働くのは母のためです。6年も闘病生活を続けてきた母には莫大な医療費がかかっています。私は家族を支え、母の医療費を負担しなくてはなりません。だからここで働いています。ただ人生がこんな地獄に落ちることは想像すらしませんでした。でも生きていかなくてはなりません。ほかに選択はありません。サバイバルしていくしかありません。・・・お二方のお助けで私は本当に助かりました。大きな助けです。本当にありがとうございます。神のご加護を」

 次に、我が家のフィリピン人メイドに宛てた手紙(抜粋訳)

 「毎晩、12:30が就寝時間です。送ってくださった食糧やビスケットはいつも布団の中に隠してあります。マダムが寝て、消灯してから私は布団から食糧を出して、睡魔と闘いながら食べます。食べながら、涙が溢れ出ます。まずこのような悲惨な状況で悲しくて泣きます。それから、私が幸せであることで泣きます。世の中に善良な心をもつ方がまだまだいらっしゃることです。このような方々に出会えたことはどれだけ幸せなことでしょう。そして、あなたがこんな素晴らしい日本人の家族に恵まれていること、本当に幸運です。あなたのスポンサー(注:雇い主)は本当に素晴らしい方々です。どうか彼たちに神のご加護を、いつまでも、永遠に、健康、安全であるよう、神のご加護を・・・」

 敬虔なクリスチャンやムスリム。中国からマレーシアに移り住んでから強く強く、宗教そして信仰を意識させられた。逆境の中でも幸せを見出し、他人や神への感謝を忘れることなく、たくましく生きていこうという姿、われわれがもっともっと学ばなくてならない。どうか彼女たちにも、神のご加護を。