農業回帰は時代の流れ、日本脱出や外貨資産保有と並行リスクヘッジ

 日本人としてこれから生き延び、サバイバルしてく方法は、以下である。

 ① 外国に脱出する。
 ② 外貨資産を保有する。
 ③ 中国語を習得する。
 ④ 日本残留組は、農地を購入し食糧を生産する。

 ジム・ロジャーズ氏がこう語る(1月12日号「プレジデント」誌記事)。これに関しては全く同じ意見だ。私個人的には、①②③はすべてやった。実は今年3月に岩手県の農地視察に出かける予定になっているのも、日本の農業を勉強するためである。ロジャーズ氏の4案をすべてクリアする気持ちがないわけではない。

 いまさら中国語といっても人材は珍しくない。だが、私が94年ロイター通信社の中国駐在になったとき、中国語は決してメジャーではなかったし、中国自体も人気がなくマイノリティーだった。そのためか、まったく畑違いで営業経験もない私が採用され、しかも中国地区の営業担当責任者として上海駐在になったのだった。

 29歳の若造で年収手取り1000万円以上、住宅付きで税も保険も会社負担という好待遇(もちろん、仕事はきつかった)、今考えたら夢のような時代だった。

 世の中、群衆大群れできたところには、チャンスが激減し競争が激増するだけでなく、リスクも増大する。もちろん激戦区で思う存分に力試しをするのもロマンであろうし素晴らしい生き方ではあろう。個人的には50代になったわけでいずれ働けなくなる。余生や家族のために少しは不労所得を確保したいなという弱気に駆られていろいろ勉強をはじめたのである。

 農業回帰は長い目で見て、時代の流れである。高度経済社会の中、自給自足なんて時代逆行と思われるかもしれないが、パラドックス的(逆説的)な思考回路で考えれば納得する。

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コメント: 農業回帰は時代の流れ、日本脱出や外貨資産保有と並行リスクヘッジ

  1. ④ 日本残留組は、農地を購入し食糧を生産する。

    に関してですが、これからTPP等で、安い農産物がどんどん入ってくる小規模農家はどんどん廃業に追い込まれていくと考えられています。そうした中、敢えて高いコストで自給自足体制を整えるということが成立可能でしょうか?

    ② 外貨資産を保有する。

    に関してですが、仮にハイパーインフレ、もしくは円安の異常な進行があった場合、外国人労働者はわざわざ日本で働く意義がなくなり、逃げ出すことになると思います。結果、ただでさえ少ない労働人口はますます減り、労働価値が上がり、労働者の生活が相対的に楽になるということはありうるでしょうか。つまり、食糧が貴重なものになりうるのであれば、労働もまた貴重なものになるのではないかという考えです。

    立花先生のご高見を承りたく存じます。

    1. 近江さん、まず、農業は書いたとおり私もこれから勉強します。海外市場を狙った農産品の輸出や観光農業・カントリーリゾートなど多岐にわたってポテンシャルを勉強したいと思っています。次に、労働自身が貴重な資源になることに大変賛同です。まさにご指摘の通りだと思います。そもそも日本は果たして労務輸入の必要があるのかと、いまないし今後長期的に円安傾向で産業(製造業)の国内回帰と言ってますが、日本人が労働集約型産業に身を投じる用意があれば、とても良いことだと思います。

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