えびは獲れなかったけど、魚でいいですか

 朝、漁師から連絡が入った。「お宅が発注した特大サイズのタイガーえびは、今日獲れなかった。代わりに、大きめのKing Tiger Grouper(大型ハタ)が獲れたので、差し替えて届けてもいいですか」。「Catch Of The Day(当日の獲れたもの)」は、夕方にクアラルプール郊外にある我が家に届けられ、夜の食卓に上るのだ。

 我が家はこうして農家や漁師、牧場から食材を直接仕入れしている。目的は、一次産品を「中抜き」状態で食べることだ。「中抜き」とは、加工と流通の排除という食の安全とコスト削減策である。

 ちょうど、モーニングコーヒーを飲みながら、こんな記事を読んだ――。「自国民が食べないもの」が日本に送られている(8月27日付東洋経済オンライン)。

 「アメリカの穀物農家は、日本に送る小麦には、発がん性に加え、腸内細菌を殺してしまうことで、さまざまな疾患を誘発する懸念が指摘されているグリホサートを、雑草ではなく麦に直接散布している。収穫時に雨に降られると小麦が発芽してしまうので、先に除草剤で枯らせて収穫するのだ。枯らして収穫し、輸送するときには、日本では収穫後の散布が禁止されている農薬イマザリルなどの防カビ剤を噴霧する」(上記記事から引用)

 小麦は食パンという日常食に影響を与える。大豆ならしょうゆや豆腐といったこれも日本人の日常食に影響する。昨今加工食品の問題で、ソーセージやハム、ベーコンが危ないといわれているが、結局気がつけば、ほかにもいろいろありすぎて、いちいち気にしていたら食べられるものがなくなってしまうのではないと、憤慨を覚える。

 小麦は一例に過ぎない、氷山の一角。私は不思議に思うことがある。日本人の食事は世界一の健康食だというのに、なぜ、日本人のがん罹患率がこれだけ高いのか?直感的には、食材・食品の問題が大きい。日本人は来る日も来る日も、何らかの形の「毒」を食べさせられているのではないかと。

 食の安全を管理するうえで、法律がある。食べ物の包装には成分表示(法的義務)があって、虫眼鏡でみないと分からないような文字がいっぱい印刷されている。その中身をみても、素人では一知半解の場合が多い。正直、あの成分表を読んでも、自然科学に疎い私はさっぱり理解できない。

 何が入っているよりも、そもそも、そんなにたくさんの成分(特に工業的化学的成分)が入っていること自体が問題ではないか。我が家では、口にするものは、「農業度」と「工業度」の割合をざっと計算・評価している。加工食品の工業度も、工業製品(農薬等)に頼る農産品の工業度も、相対的に高くなる。とにかく、工業度の低い、農業度の高い、できれば汚染されない、あるいは汚染の少ない一次農水産品を選ぶようにしている。

 お陰さまで、マレーシアは農業水産業の発達した国で、流通も消費者にその気があれば、「中抜き」の仕入が可能もある。特にコロナ以降の社会が変わり、直仕入(直販)がますます普及するようになった。

 日本の場合、食べ物に関しては、やたら「袋物」が多い。我が家では、袋やパックに入っていない食材を善としている。粒ぞろいとか色合いとか、そうした見栄えは一切求めない。自然体でいい。野菜に虫食いがあっても気にしない。切り身やミンチといった加工もなるべく不要とする。

 現代社会は、高度の分業化社会だ。現代人は時間節約のために、どうしても加工など高度処理された食べ物を食べざるを得ない。でも、そろそろ、この時代の流れに逆らったほうがいいかなと、私はそう思っている。

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