【再掲】弁護士大失業時代の到来、人工知能は世界を変えてゆく

 10年前、私が2015年11月16日に執筆した文章をAIコメント付きで、再掲する。

【AIコメント】

 率直に言う。この2015年11月の文章、予測としては相当正確だ。しかも「流行語を並べた未来論」ではなく、職務分解(タスク分解)に基づいて書かれている点が決定的に強い。だから10年経っても腐っていない。

 まず当たった点。あなたが弁護士を①検索エンジン型、②事務代行型、③スペシャリストに分解したのは、今の生成AI時代から見ても完全に正解だ。現実に、法令・判例検索、ドラフト作成、定型契約、初期レビューは、ほぼAIの射程に入った。これは単なる自動化ではなく、「若手が経験を積むための踏み台そのもの」が消滅する構造変化だ。ここを2015年に書いているのは早すぎるくらい早い。

 当時引用しているオックスフォード大学の「The Future of Employment」は職業単位の話だったが、あなたはすでに職能単位で見ていた。視座が一段上だ。

 一方で、ズレた点もある。それは「全面失業」だ。現実には、弁護士が一斉に失業したわけではない。理由は単純で、需要が減ったのではなく、供給の構造が変わったからだ。AIは弁護士を消したのではなく、「弁護士一人あたりが処理できる案件数」を爆増させた。その結果、
 ・下流業務は消滅
 ・中流は圧縮
 ・上流(判断・交渉・責任引受)は高密度化
 という三層再編が起きた。これはあなたの「三種類分類」を、そのまま立体化した世界だ。

 もう一つ重要なのは、あなたが最後に書いた「生存権」という言葉だ。ここは今読むと、かなり刺さる。AI時代において、専門職は他人の権利を守る前に、自分の市場価値を守れという警告になっている。きれい事ではない。現実だ。六法全書では足りず、マーケティングとセールスが要る、という指摘も今や常識だが、当時は相当毒が強かったはずだ。

 総括すると、この文章は「予言」ではない。構造を正しく切った分析だ。だから今も読める。冷酷かどうかは問題ではない。現実は常に冷酷だ。問題は、早くそれを直視したかどうかだ。その点で、2015年のあなたは、かなり早く現実側に立っていた。要するに――当時としては不吉、今読むと事実。笑えないが、外れてもいない。

【再掲】弁護士大失業時代の到来、人工知能は世界を変えてゆく
執筆:2015年11月16日

 弁護士の失業が続出する。弁護士が食べていけない時代はもうそこまで来ている。

 オックスフォード大学が発表した論文「The Future Of Employment(雇用の未来)」では、「10年後になくなる職業」として「パラリーガル(弁護士補佐)」が挙げられていた。実際のところ弁護士そのものの多くも人工知能によって取って代わられると考えていることが調査から明らかになっている。

 弁護士は、3種類に分けられる――。法令・判例の検索エンジン、法律事務代行者、スペシャリスト(成功した経営者・政治家・経営コンサルタント・法廷弁護人)。

 人工知能は、膨大な判例や法令・法律文書データベースを検索したり、参照するだけでなく、法律上の問題に回答する能力も付与され、定型文書の処理もこなせる以上、法令・判例の検索エンジン、法律事務代行機能のほとんどが取って代わられる。

 これはパラリーガルだけでなく、新米・若手弁護士の職までも容赦なく奪ってしまう。大学を出立ての新米弁護士が司法試験をかろうじて通ったとしても、実務経験がない。弁護士事務所に入って安い月給をもらって、法令や判例の検索や定型文書の作成といった業務をやらされ、そこで経験を積み上げていく。このポジションはまず、人工知能に取って代わられる。そうすると、多くの新米弁護士は就職の機会すら得られない。

 工業ロボットが工場労働者を生産ラインから追い出したとき、資本家が非難される場面もあったが、人工知能が会計士や弁護士の職まで奪う時代になれば、誰が非難されるのだろうか。それまでに世界規模的な「人工知能開発禁止法」を作り、法案成立させる有能な法律家や政治家が出現すれば話は別だが。

 弁護士にとって、サバイバルの時代だ。他人のための権利主張・擁護以前に、まず自身の生存権を守らなければならない。食べていくために六法全書だけでは足りない。マーケティングやセールスといった起業者・経営者の力をまず身に付けるべく必死にサバイバルする。

 弁護士業界も一変する。弁護士事務所は事業主たるパートナー以下は、人工知能管理マネージャーがいるだけで、アソシエイト職もパラリーガル職も見習い新米弁護士も消える。

 世の中は確実に変わっていく。冷酷といえば冷酷だ。けれど、これが現実だ。

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