弁護士大失業時代の到来、人工知能は世界を変えてゆく

 弁護士の失業が続出する。弁護士が食べていけない時代はもうそこまで来ている。

 オックスフォード大学が発表した論文「The Future Of Employment(雇用の未来)」では、「10年後になくなる職業」として「パラリーガル(弁護士補佐)」が挙げられていた。実際のところ弁護士そのものの多くも人工知能によって取って代わられると考えていることが調査から明らかになっている。

 弁護士は、3種類に分けられる――。法令・判例の検索エンジン、法律事務代行者、スペシャリスト(成功した経営者・政治家・経営コンサルタント・法廷弁護人)。

 人工知能は、膨大な判例や法令・法律文書データベースを検索したり、参照するだけでなく、法律上の問題に回答する能力も付与され、定型文書の処理もこなせる以上、法令・判例の検索エンジン、法律事務代行機能のほとんどが取って代わられる。

 これはパラリーガルだけでなく、新米・若手弁護士の職までも容赦なく奪ってしまう。大学を出立ての新米弁護士が司法試験をかろうじて通ったとしても、実務経験がない。弁護士事務所に入って安い月給をもらって、法令や判例の検索や定型文書の作成といった業務をやらされ、そこで経験を積み上げていく。このポジションはまず、人工知能に取って代わられる。そうすると、多くの新米弁護士は就職の機会すら得られない。

 工業ロボットが工場労働者を生産ラインから追い出したとき、資本家が非難される場面もあったが、人工知能が会計士や弁護士の職まで奪う時代になれば、誰が非難されるのだろうか。それまでに世界規模的な「人工知能開発禁止法」を作り、法案成立させる有能な法律家や政治家が出現すれば話は別だが。

 弁護士にとって、サバイバルの時代だ。他人のための権利主張・擁護以前に、まず自身の生存権を守らなければならない。食べていくために六法全書だけでは足りない。マーケティングやセールスといった起業者・経営者の力をまず身に付けるべく必死にサバイバルする。

 弁護士業界も一変する。弁護士事務所は事業主たるパートナー以下は、人工知能管理マネージャーがいるだけで、アソシエイト職もパラリーガル職も見習い新米弁護士も消える。

 世の中は確実に変わっていく。冷酷といえば冷酷だ。けれど、これが現実だ。

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