罠はここにあり、コロナ期間の格安居抜き物件

 格安、本当に格安な飲食業居抜き物件が出回り始まっている。

 平常時の一般相場と格安オファーの差額が利益になるが、その利益(A)は、物件購入後からコロナ明けまでの期間の損失(B)を天秤にかける必要がある。

 つまり、変数は、「コロナの残存期間」(X)である。XによってBが決まり、そこからAとBが決まってくるわけだ。と、考えがちだが、実はAも必ずしも定数ではない。コロナ期間の長さXによって、コロナ後は果たしてコロナ前の一般相場に戻れるのか?After AがBefore Aを下回った場合、冒頭の計算結果も一変する。

 このように、コロナの残存期間Xが天秤の両方に相反の影響を与え得る(Xが大きければ大きいほど、Aがマイナスへ、Bがプラスへ動く)。

 居抜き物件を喜んで買う投資家や経営者にとって、Xをいくつかのシナリオに折り込む必要があろう。例:X1=6ヶ月、X2=1年、X3=2年などなど。

 居抜き物件を買ったはいいが、金食い虫になるリスクを背負う。コロナの長期化によって、コロナ後の資産価値が大幅減少し、物件相場も下落することを想定した場合、今、居抜きを買うのではなく、現金を手にして、別の用途に当てて、現金から現金を生ませることが得なのだ。

 有事だから、Cash is the KING

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