リスクとの付き合い方、マレーシアの治安悪化から考える諸問題

 最近、マレーシアの治安が確実に悪化している。ブログにも書いた2月27日にクアラルンプールの私の自宅に盗賊が侵入した事件に加え、近所の家宅侵入犯罪が最近複数報告されている。

 クアラルンプールの日本人会付近、一見いかにも平和そうに見える閑静な住宅街でも、犯罪被害が多発することから、ついに巡回員配置に踏み切った。

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 マレーシア移住に関して、全体的にプラスが多いことは間違いない。ただ、このようなマイナス側面やリスクも実在していることをメディアや多くの移住あっせん業者に正確に、客観的に伝えてほしい。

 情報の非対称性というものがある。情報をつかんでいる側とそうではない側のことをいう。前者が自身の利益(商売など)を考え偏在的な情報開示や提供をすることによって、後者が情報の非対称性でいわゆる情報弱者になることがある。たとえば中国進出ブームのときもそうであったように、中国はバラ色に描かれたのだった。そこで無防備でどんどん進出してきた多くの日系企業はある日、「そんなはずじゃなかった」と驚愕し、被害に遭ったりときにはやけどもしたりする。

 他方、情報の受け取る側にも冷静な判断を求めたい。マイナス情報の一つでいやマレーシア移住は危ないとか、中国はもうダメだとか短絡的に印象的な結論付けするのではなく、全面的に評価してほしい。何事もかならず両面性があるわけだから、総合的に判断しないといけない。偏向報道の反対側に、偏向受信がある。それもよくない。一つのマイナス情報で委縮してしまうので、情報の提供側も最初からマイナス情報を出さなくなってしまう。それが情報の非対称性の悪循環である。

 私自身、経営コンサルタントとして、基本的にクライアントに正と反という両面の情報をすべて出すようにしている。たとえ私の意見であっても、ぜひ他のコンサルタントや弁護士のセカンドオピニオンを受けるように勧めている。必要があったら、他の専門家と一緒に議論してもよい。むしろそのほうがクライアントにとって有利であろう。私より優れた意見があれば、ぜひ他の意見を採用してほしい。

 中国のリスクも、私が中国で創業した2000年当時から15年間も言い続けてきた。今ベトナムやミャンマー、アジアに日系企業がシフトしているが、もちろんリスクが付きまとう。

 人間や企業がこの世に存在する限り、リスクは消えることがない。だから、リスクとうまく付き合おうではないか。
 

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コメント: リスクとの付き合い方、マレーシアの治安悪化から考える諸問題

  1. 先日の記事に、下記の引用がありました。
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    4月2日付の産経新聞によれば、上海市在留邦人は2年連続減、14年10月時点で約4万3000人に減少している(ピークは2012年の5万5800人)。一方、在ベトナム日本大使館の在留邦人数で見ると、この3年以上に渡り毎年2桁を下らない増加率となっている。
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    立花先生がお書きになったものではありません。引用なので、引用先に問題があるのでしょう。

    この内容には三つの大きな問題があります。
    (1)中国の一都市である上海と一国であるベトナムを比較していること。
    (2)上海側のデータは絶対数で出しているのに対して、ベトナム側の数字は比率のみで出していること。
    (3)中国における、邦人減少率が一番高く(邦人減少の大部分を占めているとすらいえる)上海を特に選んでいること(蘇州と深圳はもしかしたら増加に転じているかもしれない)。

    プラス、マイナスのデータ提示は非常に重要ですが、プラスの出し方、マイナスの出し方がどうなのか、データの恣意的な取扱いはないのか、過大評価、過小評価はないのか。

    この辺りも注意したいですね。

    1. 岩城さん、メディアのデータの取り方、またデータの使い方はいろいろあります。たとえば、ホーチミン市と蘇州を比較したら、じゃ合理性はどうなんだと。単純に行政区域単位でいえば市や国、中国とベトナムの比較になりますが、それはまたどうでしょう。顧客向けのレポートやアカデミック論文になれば、おっしゃる通りもっと統計学的なツールを駆使し、科学性を求められるべきでしょう。ただ。ブログ記事ですから時間的コストの問題もあって、そのへんは勘弁してもらうしかありません。もちろんデータそのものの信ぴょう性は調べません。自分の肌感覚に合致している納得性もあることから、引用しています。

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