人に憎まれる苦渋の決断、リーダーとは何か・・・

 「If you take the tough decisions, people will hate you today, but they will love you in generations」(苦渋の決断をした場合、今の人たちに憎まれるが、将来の世代の人たちに愛される)

 クアラルンプールから上海に向かうマレーシア航空機内では、伝記映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(英文名:The Iron Lady)を見て、彼女のこの一言は私の脳に焼き付いて離れない。

 リーダーとは何か。この一言は最良の回答だ。一国のリーダーも、一社のリーダーも同じだ。人に好かれて目先の利益供与だけなら、そんなリーダーは誰でもできる。いや、それがリーダーではない。人から憎まれながらも、一国や一社の将来を見定めて苦渋の決断をする。

 私が企業で行っている制度改革は既得利益への無慈悲な破壊であり、どこの企業でも多くの抵抗や嫌がらせに遭遇している。そこで毅然とした姿勢で最後までやり通す総経理もいれば、今の部下や従業員たちに嫌われたくないから最終的に改革を断念した総経理もこれまで何人かいた。

 すべてのリーダーに「鉄の女」を見習えと私からは言えないし、言う立場にもない。苦渋の決断。リーダーはそう容易に務まらないものだ。

 明日も、また戦場に赴く。