タクシー空車が語る不況感、いまだからこそ中国市場狙え

 上海のタクシー空車が目立っている。

 道路を渡ろうと立ち止まると、流しのタクシーが速度を落とし、運転手が視線をこちらへ投げる。「おい、乗らないか」という意志表示だ。このアイコンタクトを感じたは何年ぶりか、上海で。

 半年くらい前までは、上海で流しのタクシーを捕まえようとも不可能だった。特にラッシュアワー時、社用車のないビジネスマンにとって地獄そのものだった。途方に暮れた私は、しかたなく配車アプリを使い出したわけだ。

 タクシーの搭乗率で景況感を評価するのが日本人独自の癖かどうか分からないが、上海の景気は肌感覚的に下降の一途をたどっているように、私は感じている。この手の話をすると、必ず反発がやってくる。「スーパーが繁盛している」とか「ショッピングセンターは人でいっぱい」だとか。

 中国に商売をもっている人や企業の希望的観測もあろうかと思う。それは私自身も本来ならばその一員になってもおかしくないが、自分の肌感覚を自分の希望的観測で否定するのも馬鹿馬鹿しく、愚昧にほかならない。正直状況は楽観できない。

 そんな厳しいなか、ついに「13億人の市場」の掛け声もめっきり減った。景気に便乗した商売は誰でもできる。いまだからこそ腕の見せ所ではないか。ニッチを狙って、独自の戦略でどんどん中国市場に食い込んでいく。

 こんな気持ちをもって、今日は、中国市場での営業力強化セミナーで、「売れない仕組み」と「売れる仕組み」について語りたい。

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