焼け焦げた中央TVビル、悲しい人、幸運な人、無知な人・・・

 火薬を発明し、爆竹を作り、そして、ビルを燃やす・・・

 北京出張中、何回も車で、旧正月の花火で全焼した中央TV局の新ビル前を通りかかりました。

 真っ青に晴れ渡った北京の空、真っ黒に焼き焦げた高層ビル、これ以上ない強烈なコントラストを成します。

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 中国のメディアは、「構造が損壊されていない」と報じているが、近くに行って観察しました。大破している部分が多く、高温で変形する金属といえば、火事で崩れ落ちるニューヨークの世界貿易センターを連想します。これだけダメージを受けたビルは、もう使い物にならないでしょう。

 この火事で、一番の被害者は、言うまでも保険会社です。保険契約に、「常識的に危険を察知できるにもかかわらず行った過失行為による被害は、賠償対象外とする」という条項は、書いてあるのでしょうか・・・

 この火事で、一番の幸運者は、マンダリン・オリエンタル・ホテルだと思います。経済不況で落ち込む中国の高級ホテル業界ですが、マンダリンにとっては、真っ暗な先が一気に明るくなった。開業しても経営不振が懸念されるなか、これでキャンセル料なしで、当座の北京進出を白紙撤回できたわけです。保険会社からの損害賠償で、キャッシュフローが一気によくなることでしょう。

 花火で火事になる危険性を知らない人は、あまりの無知というよりも、これだけ無知であれば、人生はさぞ楽しいでしょう。

 中国は、四大発明を誇りにしている。しかし、せっかく発明した火薬は、爆竹に使われ、発明した羅針盤は、風水占いに使われてしまったと、魯迅先生が痛罵していた。

 しかし、今度は、爆竹でビルを燃やしたと、もし、魯迅先生が知ったら、何というのだろうか?

 中国の経済成長は、GDPをメイン指標とする以上、高層ビルや道路建設などのハードウエアにとどまっている。ソフトの部分、価値観や常識などは、世界の主流との格差があまりにも大きい。四兆元の景気対策は、箱物を作るよりも、頭を作ると、教育に投入すべきではないだろうか・・・

 青空の下、無残に焼け焦げたビルを見て、いったい、悲しんでいるのは誰だろうか?・・・

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