ハロン湾クルーズ(4)~カクテルと夕食の時間

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 センチメンタルな夕暮れよりも、「Buy one, get one free」というハッピーアワーに釣られる「現実主義者」の私。普段あまり飲まないカクテルについつい手を出してしまう。

 お世辞にもあまり上手に作られたカクテルとはいえない。レシピの分量通りにやっていないようだ。配合も怪しい。それで甘すぎたり辛すぎたり、あるいは水っぽくてカクテルに程遠い代物だったりする。それでも真剣にシェーカーを振るバーテンダーを見ていると、意見するのも辛くなるほどだ。

 18時になると、露天バーのあるデッキではベトナム料理のデモンストレーションと料理教室が始まる。定番の生春巻き。これは凄い、プロの料理人が教える技。結局、ベトナム式の生春巻きというのは、唯一標準なレシピがない。具材もたれも結構自由で、在庫食材で賄う「有り合わせ生春巻き」こそが醍醐味のような存在である。

 19時、夕食の時間だ。豪華な昼食メニューに比べると、夕食はブッフェである以上、私はいささか落胆。海老や貝類などシーフードの品もあって決して貧弱とはいえないが、コース料理と比べると大味さが目立つ。ただクルーズの料金で考えると、これ以上の品質を求めるのがナンセンスだ。コストパフォーマンスは決して悪くない。

 食後には船内シネマで映画の上映もあるが、興味がなく、部屋に戻って読書することにした。

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