香港の若者たちは怠惰で破壊行為を楽しんでいるのか?

 某フェイスブック友H氏(日本人)の投稿を転載する(実名転載で本人の承諾をいただいているのだが、とりあえず匿名とする)――。

 「香港の若い学生たち、なぜ、勉強をさぼるのか?彼たちは怠惰で勉強に出たくないからです。勉強よりも楽しいことがたくさんあるからです。駅を破壊したり、吉野家やスターバックス(香港)のガラスを割ったりすることです」(ここまでは英語原文で、私が和訳した)

 「香港人が経済的に独立できなかったのは、結局香港人が怠惰だったからだと思います」

 「暴れまわりたいなら、アドミラルティに格好の目標物があります。それは中国人民解放軍駐香港部隊ビルです。でも、香港人はチキンだから出来ないでしょ。やってみなさいよ。中国が嫌いなんでしょ!」

 「香港の若者たちは人間に危害を加えなければ、『モノ』はいくら壊しても無罪だと考えているフシがあります。働いてお金を作ったことが無いので、『モノ』にも値段があり、誰かの資金で購入しなければいけないことが、分からないのでしょう。しかし、若者の抵抗として大目に見るには『行き過ぎ』の状況ですね。しっかり逮捕して、罪に問いたいですね。服役して、労働の意義を理解してもらいたいもんです」

 「『大陸に帰れ!』ってコールしても意味ないでしょ。香港は中華人民共和国の一部なんだから。そんなに中華人民共和国が嫌いなら香港からお前らが出ていけよって言いたい」

 以上転載。H氏は中国・香港勤務が長く、香港や中国で商売をやり、生計を立てている部分もあることは、私と同じだ。しかし、基本的な価値観や世界観はまったく異なる。H氏も私も日本人で、民主主義の下で一票の権利を有している。そんな私たちは一票の権利を命掛けで求めている人たちをここまで酷く批判する権利はあるのだろうか。

 香港の若者たちは完璧ではない。現行法に触れることをしているかもしれない。もしそれが革命だとすれば、フランス革命をはじめ近代民主主義の源流を汲めば、正当性を失って彼たちは犯罪者になるのだろうか。われわれはそれで彼たちをそこまで酷く批判し、貶していいのだろうか。

 私自身の世界観や価値観からすれば、H氏の言説は最低の部類に入る。もちろん相対的に、H氏から見れば私が最低と思われてもまったくかまわない。どうぞそう思ってください。

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