グローバル化は死語になる

 マレーシアの林冠英財務大臣が10月21日米・カリフォルニア大学で、グローバル経済とマレーシアの課題について講演を行った。その一部を抄訳する。

 「グローバル秩序が急変している。特に(米中)貿易戦争と自国利益優先の一国主義によって、すでに多国間の関係をベースとした国際的な枠組みを崩壊させた。これまでのオープンなグローバル通商関係の下で、伝統的な概念はあらゆる製造業を中国に持っていき、中国の低コスト構造と労働力優位性を利用するというものだったが、米中貿易戦争はこの伝統的な概念を打ち破り、覆した。すべての卵を1つの籠に盛るなということだ。これがとても重要だ。投資の多元化・分散化がこれからの長期的趨勢だ。これは永久的に、グローバル規模のサプライチェーンを変貌させ、貿易や資本、そしてテクノロジーの急激な方向転換をもたらす」

 よくまとめられた、非常に分かりやすい総括だ。言い換えれば、オープンなグローバル産業構造から、2大ブロック(米中)へ移行する。産業や企業は政治的にブロックを選択したうえで、当該ブロックの中でサプライチェーンの再構築・最適化に取り組む、ということである。

 この趨勢は善悪や好嫌にかかわらず、長期的な現実になっていく。日本企業はこれをしっかり認識しているのだろうか。そしてリアクションを起こしているのだろうか。

 繰り返すが、グローバル化は死語になる。

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