学会出席雑感、日本の社会科学分野の暗部

 11月9日(土)~10日(日)、立命館大学茨木キャンパスで学会出席。立派な大学だ。綺麗なキャンパス。

 経営コンサルティングの本業に、昨年末から、メディア向けの記事執筆と学術研究という2本の「副業」を加えると、大分忙しくなった。アカデミックは大好きで、学会出席も楽しみの1つではあるが、失望するところも多い。

 少なくとも、私が現在加入しているいくつかの社会科学系の学会に限って、そして極めて個人的な感覚からいうと、参加者のばらつきが大きい。

 あえて明暗の「暗」の部分に着目すると、期待していたほど平均的レベルが高いわけではない。大学院生の報告なら、学生だから発展途上で温かく見守ってあげるべきだろうが、専門の研修者たちとなると、話が違ってくる。結果ありきの研究で、お粗末なデータを寄せ集めて想像任せの文脈づくりだったりする報告も散見される。

 「日本本社企業文化を如何に海外子会社に浸透させる」など、笑うに笑えないテーマ。布教ではあるまいし、なぜ本社企業文化を海外子会社に押し付ける必要があるのか。それで海外事業をダメにしてしまったのではないか。日本本社があたかも世界の頂点、経営の模範であるかのような傲慢さよりも、非論理的な愚の世界である。

 日本の社会科学分野。そもそも論になるが、ロジカルシンキングというインフラがどうも脆弱のように見えて仕方がない。

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