1万3000円飛行機乗り放題年間パス、エアアジアの奇策とは?

 最近、話題になっているエアアジアの年間無制限パス。わずか499リンギット(約1万3000円)。無制限に利用できると。

 消費者の第一印象からいえば、1回だけでも利用すれば、元が取れると。これがミソだ。誰も乗らないガラガラな飛行機よりは、激安でも席がある程度埋まったほうがよい。何よりも、フルサービスキャリアから客を奪うには絶好の手段になる。

 さらにLCCであるから、食事や荷物料金など別途付加サービスから売り上げが生まれる。もっとも、往復のどちらか片道が適用日から外れた場合、当該部分は別途購入になるため、売り上げにつながる。航空会社は、うまく日にちの設定を(ある意味で「意地悪的に」)調整すれば、実現可能である。

 パス適用日と適用便、適用目的地はすべて航空会社が設定できるから、主導権は消費者が握っているわけではない。販売状況とにらめっこして、航空会社が自社に有利な調整をすればいい。

 正直、私もこのパスを買おうと思った。これを使って、週末になれば、2~3泊だけでもバリ島に通おうかなと企んだ。そこで、約款をチェックすると、なんと、クアラルンプール・バリ便は適用対象外になっていることが判明。いやいや、さすがに抜け目がないなと思った。

 適用国は5か国――日本、韓国、中国、インド、オーストラリア。まず日韓中の3か国はコロナの渦中、それが長引けば、相互閉鎖などでほとんど使えない。インドとオーストラリアへどのくらい行く必要があるかによる。

 さらにいうと、日韓中に一度行ったら、14日間の隔離が入ると、パスを使いたくても使えない。では年度後半に疫病が終息した場合はどうだろうか。それは航空需要が一気に爆発し、航空会社が嬉しい悲鳴を上げながら、パスの適用日をどんどん絞り込めばいい。つまり、結局消費者は使えなくなる。

 需要旺盛になれば、エアアジアは、「パス保有者なら、これだけの追加料金を払えば、乗れる」というキャンペーンを打ち出せばいい。他社から客を奪い、需要を囲い込むことができるのだ。

 利用約款にこう書かれているーー。

 「本商品の利用にあたり、エアアジアは絶対的情状酌量決定権を有し、これらのいかなる約款または利用条件をも変更し、増減することができる」

 こんなことがあっていいのか。要するにこの契約は消費者が断然たる弱者地位に置かれ、到底「対等」な契約とはいえない。とはいっても安いから、文句が言えない。まあ、たかが1万3000円だからいいだろうと思っている消費者が大半ではないだろうか。その気持ちで買っていく。それが航空会社が狙っているところだ。たくさんの人が買うだろう。

 エアアジアは昨年半ばから赤字幅が大きく拡大した。とにかく現金がほしいわけだ。泣き面にハチという状態で、新型コロナがやってきた。そこで考え出した奇策ではないだろうか。

 私は最終的に、購入を断念……。この投稿で皆さんの購買意思を左右する意図はないことだけを声明しておこう。

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