立花聡は2020年2月10日、名古屋で行われたトヨタ・グループ幹部・社員500名向けの講演会で、『終身雇用制度崩壊のシナリオとソフトランディングの方向性』と題した講演を行いました。講演会の収録ビデオ(非売品)を、当社顧客企業(顧問会員)様に無料提供いたします。
立花聡講演会@トヨタ・グループ(2020年2月10日・名古屋)
本講演は、3部制から構成されます。
1. 終身雇用制度とは何か?なぜできたのか?どうして崩壊するのか?
2. 終身雇用制度はどのように崩壊するのか?
3. 崩壊する終身雇用制度に代わるもの(非終身雇用制度)とは何か?われわれはどう行動すればいいのか?
まず、終身雇用制度の概観や一連の特徴を切り口として、戦後という特定の時代に適合したところで発揮された優位性・有益性と、潜在的に温存された副作用・有害性という両面から、その本質をえぐり出します。さらに時代や社会・市場の変遷とともに顕在化する負の影響を分析し、その危害を受ける企業と社員の実態をさらけ出します。そこから必然的帰結として、制度崩壊と非終身雇用時代へ移行する方向性を示します。
次に、挙国体制として取り組まれてきた「働き方改革」がなぜ一向に進まないかという事象について、社会的阻害要因(外部)と組織的阻害要因(内部)の両面から分析し、そのメカニズムを解説します。社会全体的な動向と一部の企業で取り組み中の制度改革という現状を踏まえて、時代に要請されている抜本的な構造改革とのギャップが明らかである以上、最終的に回避不能となるハードランディングのシナリオを描きます。
最後に、ソフトランディングのシナリオ描きに入ります。雇用や賃金、労務管理面における構造的な大改革が欠かせないことは事実です。一方では、それが社員の普遍的士気低下を招く単一かつ急進的な「革命」になってはならない。社員の多様化ニーズに対応する精緻な制度設計、最大の労使合意(双方利益の最大化)、段階的制度移行という「三位一体」の改革に価値を置き、ソフトランディングの方向性と枠組み的な全体像を描きます。
【講演会】終身雇用制度崩壊のシナリオとソフトランディングの方向性(G100 / 120分)