<KL>ケポン食紀行、コロナ中でも満席の「西公海鮮飯店」

 レトロ中華料理、旅から帰ってきても熱が冷めない。早速探検に出かける。

 ケポン(Kepong、中国語「甲洞」)という美食エリアは、華人の間に広く知られているが、日本人には馴染み薄い。場所はクアラルプールの北部にあって少々「辺鄙感」があるからだ。第1弾は、「西公海鮮飯店」という海鮮レストラン。

 平日(8月19日)なのに、19時から満席状態。コロナ不況はどこかに飛んでしまっている。テーブルの片付けを待つ客もいるくらいの繁盛ぶり。酒を飲まない華人客が多いので、食べてすぐ帰るので回転が良い。駐車場も満車。

 室内席がいっぱいだから、室外の露天席に案内される。「三密」を避けるうえで、むしろ、このほうがいい。因みにもちろん、酒の持ち込みは自由(無料)。さあ、早速注文。

 この手のレストランのメニューは分かりやすい。海老、蟹、イカ、貝類、魚、牛肉、鶏肉、豚肉、豆腐、野菜、麺・飯といったメイン食材別に分類されている。さらに食材ごとに調理法で分類されているので、注文もしやい。

 海老は辛味噌炒めにし、珍しい品で臭豆と豚モツの炒め合わせ(参考記事:『ぺタイという臭豆、マレーシアの健康食を食べよう』)を注文。海老は旨いが、味噌が少々濃厚過ぎた。臭豆と豚モツの炒め合わせは絶品。

 次はソトン(イカのマレー語)の塩卵天ぷら。衣に中華の生塩(家鴨)卵を流し込み、混ぜたところ、豊穣な味になり、酒のつまみには最高の1品である。イカも大変新鮮でぷりぷり感満点。

 蟹を食べたかったが、ポーションが大きく、食べるタイミングを逃がしてしまった。今日は諦めよう。私に欠かせない家庭料理卵海老を注文。美味しいが、贅沢に言わせてもらうと、「家庭的」感が不足している。田舎の食堂で食べた卵海老はもっと素朴で口に合う。個人的感覚の問題だから、店が悪いわけではない。

 ミックス野菜はなかなかいい出来だ。

 いよいよ胃袋が埋まってきたので、持参したタッパーの出番だ。マレーシアでは食べきれない料理を持ち帰るのが当たり前でレストランにも頼めるが、たた使い捨てのタッパーは環境に悪いし、レストランのコストにもなるから、できるだけ避けたい。

 ついでに鶏も半羽注文して明日のおかずに持ち帰る。いよいよスープと主食のご飯だ。ララ(あさりのマレー語)スープは旨い。ただこれも濃厚過ぎた。ソースに近いというか、出汁取りに使えるほど濃厚でスープとしてはさらっと飲めない。1口2口飲んでこれも持ち帰りだ。明日我が家で加工すれば、立派な1品になる。

 主食のもち米焼き飯は絶品。炊き込みご飯のような食感と味が素晴らしい。中華圏の焼き飯は一般的にパサパサしている(それが美味しいと私は思っている)。日本米は粘り気があって逆に向かない。しかしこのもち米焼き飯はパサパサ感でなくネバネバ感ともちもち感を強調するので、メリハリがあっていい。もう満腹で食べられない。これも1口2口食べて、あとは持ち帰り。

 ご馳走様でした。

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