コロナ第3波来襲、マレーシアの失敗原因

 マレーシアは第3波のコロナ来襲で、毎日1000人前後の感染確認者を出している。失敗の原因は、以下にまとめる。

 1.不法入国者取締りの失敗。国境を遮断したのは合法入国ルートだけで、密入国者の取り締まりにはいくつもの抜け道が出ていた。陸路や海上、全面管理が難しいのもあるが、有効な措置を積極的に講じなかった。

 2.刑務所管理の失敗。刑務所は受刑者の密度が異常に高く、コロナ拡散の温床となった。シンガポールの外国人労働者ドミトリー宿舎による拡散を教訓にして早い段階で取り組めばよかったのだが、それができなかった。

 3.サバ州選挙実施の失敗。9月下旬サバ州の拡散がすでに確認され、状況が怪しくなった。それでも予定通り州の選挙を断行したのは大きな失敗。その間、サバ州からマレー半島本土に多くの感染例が持ち込まれた。

 4.戦力の逐次投入による失敗。サバ州発の感染拡大を確認した時点で、前回のように一気に厳格隔離を導入すべきだったが、経済を考えて、小出しに段階的遮断を行い、拡散を許した(これは日本の失敗を繰り返したといってもいい)。

 5.政策・実施上の不備による失敗。各地域間の遮断や検査、違反者の厳罰について、前回ロックダウンのような厳しい姿勢が見られなかった。テレワーク規定も曖昧で職場クラスターを増やしてしまった。

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