「最後まで戦え」の愚を自覚せよ

 ウクライナへの武器支援、「最後まで戦え」を感情的に唆すのは、無責任だ。喜ぶのは米国の軍需産業だけ。ウクライナ国内でも、戦えというノイジーマイノリティ以外の「弱音」は報じられない。理性よりも感情的になっている。

 ロシア軍は抵抗に遭遇し、キエフに向かう侵攻が遅れているというが、車列は65キロにも及び、物資補給と休養の一方、敵に対する兵糧攻めも強化されるだろう。そんななか、不利なのはどっちかが自明の理だ。

 キエフ陥落は数日もかからないという時間の予測は確かに外れたが、武器供給(それも遮断される可能性がある)と精神論以外に、陥落しない要素は見当たらない。ゼレンスキー大統領自身もいささか悲劇の主人公を気取りナルシスト化していないか。

 NATOは東方拡大をやめ、妥協の着地点を念頭に現実的な交渉に臨んだほうが、互いのためだ。反戦運動は結構だが、なぜ戦争になったかをまず振り返り、我が身の反省も踏まえて、妥協策を見出すべきではないだろうか。

 そもそも、ロシアは本当の敵か?中露同一論それ自体に問題ないか?

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