ウクライナ戦争について、私は西側メディアだけでなく、ロシアや中国、中東のメディアまで幅広く見ている。世の中、事物の異なる側面、異なる取り上げ方、異なる解釈によって全然異なる風景が見えてくるものだ。単一チャンネルの情報を決して鵜呑みにしない。
プーチンがくたばったとか、精神的におかしくなったとか。西側メディアの希望的観測やプロパガンダである、と私は見ている。プロパガンダは東西を問わず行われている。西側メディアのプロパガンダは、前回2020年トランプ大統領選の時も今回のウクライナ戦争の時も本質的に変わっていない。
トランプは支持だがロシア反対、プーチン嫌いという層は、前回にメディアを非難しても今回はメディアに踊らされている。それは人物に対する先入観などのバイアスがかかっているからだ。トランプ自身も最近明言を避けながらもプーチンの手腕に賛同している。その本質も変わっていない。
政治は善悪抜きに冷徹にみるべきだ。トランプもプーチンも、薄っぺらいバイデンやゼレンスキーらよりははるかに厚みがあり、帝王学に精通する優秀な指導者だ。これが本質的共通項である。
さらに言おう。バイデンにとって、ウクライナを犠牲にしてロシアを潰すという取引は、魅力的だ。彼には中国と戦う意欲も、胆力も、能力も、腕力も、時間的余裕もない。だからロシア潰しに乗り出した。しかし、トランプは逆の戦略やアプローチを取っていた。なぜなら、ロシアと中国、どっちが本当の敵かという前提を明確にクリアしていたからだ。
たとえ、仮説としてバイデンの作戦が成功し、ロシアが潰れた(可能性が低い)としても、中国は萎えて台湾侵攻を諦めるのか、答えはNO。逆に、中国は漁夫の利を得ることになる(このへんの詳述は別の機会に譲る)。
だから、抗議されるべきは、プーチンではなく、バイデンだ。ウクライナはバイデンの捨て駒に過ぎない。
60キロ以上に及ぶロシア軍の車列がキエフ郊外に停止しているのは、タイヤが雪溶けの泥沼にはまって立ち往生しているとか、補給兵站の問題が生じたとか、ウクライナ軍の頑強な抵抗に遭遇したとか、決定的な要因と思えない。西側報道陣の無知・希望的観測か意図的なプロパガンダだったのではないと。
ドンパチをなるべく避け、平民の死傷をなるべく減らそうとしているのは、プーチンである。逆に勝ち目のない戦いを強行し、民間人だけでなく外国人(義勇兵)まで巻き込み、プーチンを大虐殺の悪魔に仕立てようとしているのは、バイデンとゼレンスキー傀儡政権である。
米欧は本気でウクライナを支援しているのか?
ウクライナのNATO即時加盟要求を、拒否。
ウクライナのEU即時加盟要求を、拒否。
ウクライナの飛行禁止区域設定要求を、拒否。
ロシア潰し(経済崩壊)を目論み、ウクライナを戦火に送り込んだのはバイデン。戦闘が熾烈化すればするほど、世論を操作し、より強烈な経済制裁にエスカレートさせる。バイデンの傀儡政権が「善」であれば、ロシア寄りの政権樹立は「悪」になるのか?ウクライナは、バイデンの捨て駒に過ぎない。
不運にも、喜劇の役者がウクライナを悲劇の舞台に押し上げようとしている。善悪はない。国際政治には、損得しかない。冷徹な目を養おう。
仮説ではあるが、私の分析は以上だ。