「Made in China」は恥ずかしいですか?

 たったいま、私は、何年も続いてきた取引先に「異議あり」のメールを送り込んだ。

 今日、その取引先から紹介された某日本企業の帰化台湾人社長から聞かされた話で腹が立った。中国製の部品を、原産地を表示せず、台湾の自由貿易区を経由して他国に輸出するという話だった。「Made in Taiwan」を書いたら詐欺になるが、「Made in Taiwan」も「Made in China」も書かなければ問題はないだろうという。「Made in Taiwan」を書きたいが、書けない。「Made in China」を書くべきだが、なるべく書きたくない。こういうことだ。

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 確かに、日本以外の一部の輸出先の国では、原産地表示の法的要件がなく、また、仲介業者の了解もあるだろうから問題はないというが、私の道徳基準からすれば、決して容認できるものではない。

 「Made in China」は、品質が万全ではないし、良い値段で売れないのかもしれない。だからこそ、品質管理とプロデュースで、付加価値を付けて世界に向けて、「Made in China」、「Produced(Made) by 第三者」で出荷すればよい。

 自社がプロデュースした製品で、原産地さえ明示する自信がなければ、世界に向けて商売するのが恥だと思う。

 当社も、中国に置かれる企業である。我が社の製品(サービス)も、「Made in China」であり、未熟なのかもしれないが、中国人スタッフだって、一人ひとり一生懸命に頑張っている。制度や教育次第、彼たち、彼女たち、必ず向上すると私が信じている。ほかの会社も同じだと思う。

 世界にまだ認められないからといって、「Made in China」を隠すということは、それをプロデュースする人たち、その製品の製造に携わるすべての関係者の人格を否定するものではないかと思う。少し前、私が、ブログで書いた北京グランドハイアットのレストラン「Made in China」を参照されたい。

 逆に、日本人や日本企業の企画、指導、管理によって、作り出された「Made in China」は、いかに安くて良いものかを世界に誇示すべきではないかと思う。

 いろいろ、ボランティアもなさっている帰化台湾人社長だそうだが、この一件でイメージが全壊する。台湾も日本も愛しているというが、本当の愛とは何か。利益追求の余り、法にさえ触れなければよいのか、企業経営者の価値観と企業の社会的責任を放り出してよいのだろうか?

 「Made in China」は、世界の恥なのか?それを恥とする人自身のどこが恥ではないか。

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