参加者の声~生き方改革勉強会(第5回)トヨタは死せず、章男社長が見出した活路とは?

 4月17日に行われた「生き方改革勉強会(第5回)」【ビデオ講座】トヨタは死せず、章男社長が見出した活路とは?(0017))について、多くのアンケート回答をいただいた。一部抜粋掲載する。


● 多くの日本人は「思考停止」状態に陥ってしまっている。「権威主義」よりも「民主主義」の方が高級だと思い込んでいる。しかし、状況によっては、トップが独裁的に決定しなければ物事が進まないこともある。今、世界的に、民主主義国家の劣勢が垣間見えるようになってきた。「独裁的な決定はダメだ」と頭ごなしに否定するのではなく、問題の性質によっては、我々日本人の中で、「独裁的な決定」を受け入れる柔軟性が必要になってきているのではないのでしょうか?

● 物事には2面性があり、例えば「同じ出来事でも見る立場が変われば捉え方が変わる」、「性格についても、考え方によって長所でもあり短所でもある」ということは、それなりに日頃から意識しているつもりであった。しかし今回、改めてメディアの誘導(の可能性)と真実の把握の難しさを感じました。自分が感知できる範囲の物事については、比較的両面からとらえることを意識できましたが、社会の大きな動きや流れの中では自分の意識が及んでいなかったことに気づきを得ました。そもそも、「日本社会や日本企業の衰退」という危機感が、ある面からしか見ていないバイアスがかかった状態ではなかったのか?自分の危機感を納得させる情報にセンシティブになっていたのではなかったのか?再考するきっかけとなりました。例えば「有能な中間管理職が退職する」というワードに対しても、日本企業の衰退というバイアスに基づいてみていなかったのか。「有能」の定義は?、「中間管理職が退職する」メリットとデメリットは?、なぜその様な事実が起こるのか?その背景は?と、経営的視点を持つためにはもっと多面的に捉える必要性を感じました。また、単純なマジョリティが民主主義の意思決定ではないとのご指摘も、ずっと引っかかっていたことが納得できた気がします。

● 最近「嫌われた監督」というだいぶ前になりますが中日ドラゴンズを8年間率いて日本一に導いた落合博満をテーマにした本を読む機会がありました。個人的には野球そのものにはあまり関心がないのですがプロ野球という典型的なドメスティックな業界で一人異端の生き方とマネジメントを貫いて一流の結果を残したという点でスケールはかなり違うものの豊田章男社長が今巨艦トヨタ変えようとして奮闘し内外からバッシングを受けているという今回のお話はなんとも二重写しに見えてきて大変興味深いものがありました。トヨタと中日ドラゴンズという同じ名古屋というローカル性も相俟って落合監督の受けた、また章男社長の受けている抵抗は想像以上のものがあると思いました。御社のセミナーを受けるたびに痛感するのですがこれだけ世界のすべてが今までとはまったく別ものに変わりつつある中で空気感だとかわけのわからないものに未だに支配されてまったく変わることのできない日本の組織と社会に身近な経験からも苛立ちを覚えてしまうというのが正直なところです。未だに東大を頂点とするような教育システムあるいはハイアラーキーを妄信しているところが世界の現実からかなりずれているようです。落合監督は結局8年で解任されてしまいましたが、章男社長には己れの志を最後まで貫徹していただきたいと思います。


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