中露分断、バイデン関税引き下げで中国懐柔策

 バイデン米政府は、中国消費財に対する関税引き下げの方向に動き出した。2018年以降トランプが主導し仕掛けた対中高関税政策を大きく後退させた。

 米中間選挙を控えて、バイデンは何としてでも物価高騰を緩和しインフレを鎮静化させなければならない。もう1つの大きな目的は、中国に対する懐柔による中露分断である。

 ウクライナの運命はどうでもいい。ウクライナの崩壊をもってロシアを崩壊させれば目的達成だ。そこで唯一の懸念事項は中国の参入である。トランプは「連露抗中」だったが、バイデンがロシア潰しに乗り出したところ、逆に露中一体化を促す形になった。その影響を打ち消すには対中懐柔策は確かに悪くないアイデアだ。

 しかし、中国はその手に乗るのか。トランプの貿易戦争後期に、習近平は「内循環」政策を打ち出し、輸出脱却で国内完結型の経済モデルを目指し始めた(今は進行途中)。平たく言えば、米国からのデカップリングよりも、中国が自ら対米デカップリングを仕掛けるということだ。

 「関税引き下げなんて、どうでもいい。中国サプライチェーンを切って困るのはお宅だろう」。習近平はバイデンを軽蔑しながらも、儲かるお金は拒否したりしない。対米輸出はどんどん増えればいい。ただそれでロシアを捨てるかというとそれは別問題。

 バイデンはなぜ中国にアメを差し出したか、習近平はよく理解している。これっぽちのアメに騙されるほど中国は甘くない。ロシアが崩壊したら、NATOは中国の北方国境までやってくる。米中は一つ屋根の下に入ることはあり得ないのだ。

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