日本人、忙しいのに豊かになれない理由

 日本人は忙しい。しかし、一向に給料が上がらないし、豊かになれない。なぜ?答えはシンプル。それは、無駄なことに時間と労力をかけているからだ。

 「There is nothing so useless as doing efficiently, that which should not be done at all」。ピーター・ドラッカーの言葉。「そもそもしなくてもよいことを、一つひとつ効率よくやっていることほど、馬鹿馬鹿しいことはない」

 仕事をするために、仕事を作り出し、仕事をしているのだ。特にホワイトカラー。生産現場では「改善」に取り組むが、オフィス現場ではやらないし、やろうとしない。

 本気で効率改善をやったら、半分以上のホワイトカラーが失業する。社会問題は、すべて経済学の効率性で片づけられない。

 コロナでリモートワークが始まったところで、懸命にオフィスに戻ろうとするサラリーマンたちがいる。どうして?いなくても仕事が回ることが判明して困るからだ。

 日本人は、「そもそもしなくてもよいことを、一つひとつ効率よくやっている」。そのすべてを1つの言葉、「頑張っている」で美学的に完結させる。「頑張る」という言葉は、英語にも中国語にも適訳は存在しない。「頑張る」とは呼吸のようなものだ。提起に値しない。

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