6月3日(金)。タイピンからタイ国境のブキットカユイタム(Bukit Kayu Hitam)までは230km、3時間ほどのドライブで昼に到着。
東海岸のコタバルの近くにもランタウ・パンジャンというタイ国境の街があるが、規模からいえば、ブキットカユイタムのほうが幹線南北高速道路の終点でメインになる。しかし、「国境感」あるのはむしろ、ランタウ・パンジャンのほうだ。ここブキットカユイタムの国境では国旗すら見えない。無機質な出入国ビルが横たわっているだけ。がっかりした。
越境するわけでもない私はなぜ、わざわざ国境の街まで足を運ぶのか。何よりも「国境感」がほしい。日本という国は陸路の国境がない故に物理的な「国境感」がもてない。国境は「閉鎖」や「制限」を意味する。だからこそ、それらのバリアを超えて何か流動的なものがある。
国境を超える流動的なものを探し求め、私は国境から50km弱南下し、ケダ州の州都アロースター (Alor Setar)を目指す。