愛煙家受難の台北、オアシスのチャーチルで一服

 2009年1月より台湾全土で「禁煙新法」が施行された。この新法では、3人以上いる屋内は全て禁煙となるほか、街中での歩きタバコも禁止となっている。違反すれば煙害防止法罰則により、2000~1万元(台湾元)の罰金が課せられる。唯一、屋内にて喫煙が可能な場所は「独立した空間に空調機が設置されている場所」(喫煙室等)のみとなる。

 私は、シガー愛好家である。自宅にいれば、週の半分、毎日夕食後の1本は欠かせない。出張に出かけると、気分が盛り上がり、基本的に毎晩1本というペースは崩さない。宿泊のホテルでは禁煙室が割り当てられた場合、ホテルのバーに行って吸う。しかし、私が泊まる台北老爺大酒店(ロイヤル・ホテル)は、何と全館禁煙。部屋はもちろん全室禁煙で、バーまで禁煙なのだ。これは参った。どこか吸える場所はないかといろいろ探してみることにした。

 あった。台北のホテルの中で唯一合法的にシガーが吸える場所――六福皇宮(ウェスティン台北)3階のチャーチル・シガーラウンジ。

 台湾出張初日の夕食後、早速、六福皇宮に向かった。なるほど納得。ここは、法律にいう「独立した空間に空調機が設置されている場所」なのだ。しかも、政府認可を得ているという。

 「禁煙」で度を過ぎていることに私は疑問を持つ。タバコ問題を語るうえでの当事者は、大きく分けると喫煙者本人と受動喫煙者である他人の二つである。

36237_3

 まず、喫煙者本人に関して、どの喫煙者も喫煙資格を持つものであれば大人であり、「タバコは健康を害する」ことを知らない人はいないだろう。にもかかわらず、政府が「タバコは健康を害する」ことを大々的に宣伝するのが老婆心なのだろうが、良しとしよう。ただし、最終的に個人の意思なので、強要はできないはずだ。つまり、喫煙者には喫煙権がある。

 次、受動喫煙者である他人のタバコ拒否権。これは保護しなければならない。であれば、「分煙」さえすればよく、全館禁煙、全面禁煙する必要は果たしてあるのか。いささか度を過ぎた政治ショーのようにも見えてしまう。

 受動喫煙者のタバコ拒否権にも、喫煙者の喫煙権にも、両全を期して保護する方策を考えるべきではないかと。

 ということで、台湾の行過ぎた禁煙政策には、私はかなり疑問をもっている。

 最後に声明。本記事は、あくまでも私本人の考え方であり、読者の皆さんに喫煙を推奨するものではない。下記のバーも、ノンスモーカーのために禁煙コーナーが設けられている。

★チャーチル・シガーラウンジ(台北)
<住所>   台北市南京東路三段133号六福皇宮飯店3階
<電話>   02-8770-6565
<営業>   15:00~01:00
<ライブ>  ピアノ演奏 火曜~土曜21:00~23:00