ワクチン未接種者の日本入国体験記

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 ほぼ3年ぶりの日本出張。日本へ行くのが大変だ。Visit Japan Webにマレーシアで取得したコロナPCR検査陰性証明書をアップロードし、項目記入して登録する。数時間後に色が青になる。そのQRコードが日本入国の際にチェックされる。

日本へ向かう機内

 11月28日(月)午後、クアラルンプール発東京羽田行きのエアアジアD7 522便に乗り込む。2日前の26日午後にPCR検査して陰性証明書を取得したものの、72時間の有効期間で、29日午後までに日本入国しなければ、証明書が失効する。便が大幅遅延やキャンセルとなった場合、再検査を受けなければならない。そのためにクアラルンプール空港内・近辺の診療所情報も一応把握し、万全を期した。

 搭乗前日から、搭乗便の使用機材の機体記号をFlightradar24で割り出して、運航状況の追跡を始める。前々フライトのシドニー往復には少し遅延があったが、前フライトのソウル仁川往復でほぼ正常に戻った。出発機の機材が出発時刻の1時間前に駐機スポットに入った時点で、とりあえず一安心。

 クアラルンプール空港では、書類のチェックが3度ある。まずチェックインの際、陰性証明書をチラッと見て「72時間ね」と終わり。さらに搭乗前に2度のチェック。ほとんどの乗客はワクチン接種済証明書で、私のような未接種者が陰性証明書を提出するのは異例のようで、ワクチンを3回受けたかとしつこく追及される一幕もあった。搭乗拒否を避けるべく、日本政府の公式文書英文版も事前に用意し、万全のまた万全を期した。

 予定時刻より30分ほど遅れて羽田行便が出発。この程度ならまったくの許容範囲。若干の遅延を織り込んで運航スケジュールが組まれているので、この程度の遅延は大した問題にならない。案の定、ほぼ定刻通りに飛行機が羽田に到着。

 飛行機から降りるや、検疫誘導係の人海戦術は事前情報の通り、大統領車列を歓迎するような勢いで待ち構えていた。こちらはスマホを高く掲げ、ファストトラック青色登録画面QRコードを見せると、どうぞどうぞと熱烈歓迎。担当と思われるおばさんがチラッと画面をみて、1枚のピンクの紙を渡してくれる。

 このピンクの紙(入国後の注意事項などが書かれている)は要するに審査通過の印である。「ピンクの紙は1人1枚、なくさないように」と念を押される。しかし、実際にQRコードの機械読み取りはない。本人かどうかも日付・72時間の有効期限もノーチェック。ほぼ素通り。ちょっと、大丈夫ですか。

 羽田空港の検疫入国、嘘のように簡単。日本国は来る日も来る日も、微笑ましい。

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