飛騨料理の代表格といえば、飛騨牛。高山市内のレストランや飛騨の温泉宿では、必ず顔を出す料理でもある。サシ(霜降り)は高級和牛の象徴といわれているが、最近年を取ったせいか、このサシを油っぽく感じ、とても苦手になった。
せっかく地元に来たのだから、飛騨牛を食べようといろいろ食べてみたが、確かに美味しい。けれど、たくさんは食べられない。豪州牛のような赤身一色の肉なら200グラムくらいはぺロッと平らげるものの、このサシが美しく入った和牛は、せいぜい100グラム弱しか食べられない。
ソースは一切使わず、岩塩と胡椒を少しつけて、いただく。
川魚の刺身。これは、川の水が綺麗なところでしか食べられない。大鱒や鯉など、中国では絶対に無理だという川魚料理が運ばれてくると、思わず感心・・・
骨酒(こつざけ)。塩を振って、火にかけて炙った魚をそのまま燗酒に浸して、いただく。使うのは岩魚(イワナ)。基本的にヒレ酒のような存在だが、魚一本丸ごと使うので、大きな器に盛られ、お酒も2~3合が入り、ワイルド感たっぷり、大変豪快だ。
注ぎ酒もOK。どちらかというと、この二番酒や三番酒の注ぎ酒は深みが出て、美味しい。
そして、最後、使用済みの魚を捨てるのがもったいなく、私はある食し方を考案した。魚の身をほぐして、熱々のご飯のうえにパラパラとやって、最後にそれもまた熱々のお茶を注ぎ、はい、出来上がり――、名付けて「酔っ払い岩魚茶漬け」。
ご馳走様でした。