台湾(5)~茂園餐庁の絶品台湾料理、昼酒がどんどん進む

<前回>

 台湾に来たら、もちろん台湾料理は欠かせない。台北在住の友人に勧められた茂園餐庁は、今回食べたなかでいちばんおいしかった。夕食は連日満席で取れず仕方なく昼食を予約し、食べに行った。

粉肝(豚レバー)

 台湾料理のなか、私が毎回必ず食べるのは豚レバー。この店は「粉肝」、いわゆる「ピンク色の肝臓」要するに「脂肪肝」を使っている。正常な肝臓は肝臓全体の重量の5%の脂肪を含んでおり、それが10%に達すると脂肪肝とされる。長期間大量の脂肪が肝臓に浸潤することで脂肪肝になり、脂肪分が多いため珍味となる。味はフォアグラに近い。絶品の部類だ。

白斬雞(蒸し鶏の冷製)

 「白斬雞(蒸し鶏の冷製)」を食べれば、シェフの腕がわかるというのが私の「信条」だ。どこの中華レストランへ行っても、だいたいこの1品を注文する。この店の白斬雞は肉厚の厚い、しかもジューシーな「豊饒型」であり、紹興酒に合う。結局、鶏料理だけで紹興酒ボトルの半分が消えていた。

烏魚子(カラスミ)

 日本からやってきた家族には、烏魚子(カラスミ)だけはしっかり食べさせたい。野生烏魚子は台湾海峡天然ボラの卵巣で、香りが立つ程度で炙って食す。白ワインにも合うと言われているが、私はやはり紹興酒しかないと思っている。最近、どんな料理にもワインが出てくる傾向があるなか、アジア系の料理に関しては、私は基本的にワインに手を付けない。

炸花枝丸(揚げイカ団子)

 「花枝」という美しい名前だが、イカのことだ。台湾では家庭料理の部類に属している。唐揚げ感覚で食べてもよく、スープに入れれば、花枝丸湯(イカ団子スープ)になる。熱々の揚げイカ団子、これもお酒のつまみに最適。

麻油腰只(豚の腎臓のごま油炒め)

 台湾料理に欠かせないのは、生姜・麻油(ごま油)・米酒を使った麻油料理。豚バラや鶏肉以外に、豚マメ(豚の腎臓)も多用される。豚マメはクセが残らないように丁寧な下処理をする。横縦の細工切りを施した美しい花模様から、「腰花」とも呼ばれる。クセや生臭さは一切ない。

蒜泥鮮蚵(ゆで牡蠣のニンニクソース)

 蒜泥鮮蚵(ゆで牡蠣のニンニクソース)は、プリプリした牡蠣が使われている。絶品だ。これもお酒に合う。昼にもかかわらずどんどんお酒が進む。4人で紹興酒2本、ビール3本も空けてしまった。

炒絲瓜(ヘチマ炒め)

 酔いが相当回ってきたところ、いよいよ、主食の時間だ。野菜は、炒絲瓜(ヘチマ炒め)。鮮やかな緑色にまたまた酔ってしまいそうだ。ご飯と麺、どっちがいい?ビーフンが食べたいというメンバーがいたので、素朴な炒南瓜米粉(カボチャ入り焼きビーフン)を注文する。素朴その一言。

炒南瓜米粉(カボチャ入り焼きビーフン)

 ご馳走様でした。

<次回>