マレーシア移住(1)~10周年記念、移住は成功か失敗か

 2023年10月8日、マレーシア移住10周年記念日。家族でスレンバン現地の小さな中華レストランで祝う。移住してからの10年間を振り返ってみると、移住は正しい決断だったと改めて確認できた。

 移住が成功か失敗か。多くの人は、「撤退」を1つの指標としている。確かにそれはあるかもしれない。だが、引き揚げるのは全てが失敗ではない。残るのも全てが成功とは限らない。もし自分が「失敗」と認識したならば、むしろ1日も早く引き揚げ、撤退したほうがいい。私は企業にもそうアドバイスしている。

 「埋没コスト」という概念がある。すでに発生していて取り戻すことのできない費用や、発生することが確定していて、将来的にどんなことをしても、発生する(した)費用のことを埋没コスト(サンクコスト)という。埋没コストがもったいないと思って、しがみついていたら、将来にも損害が広がりかねない。だから、失敗があれば、早いうちに是正することが大切だ。

 日本人には、「失敗=恥」というとんでもない間違った認識がある。私はたくさんの失敗があって、全部記事にして明らかにしてきた。人間である以上、誰もが失敗する。西洋のことわざだが、「転ぶのは恥ではない。転んだままでいるのが恥なのだ」「ミスを犯さない人間には、何もできない」。ずばりその通りだ。

 海外移住も、失敗があって当たり前のことだ。失敗しないように入念な調査や準備をするのは、もちろん大切だが、失敗に気付いたらどうするか。撤退すればいい。なるべく早いほうがいい。

 私の場合、マレーシア移住は成功している。そもそも何が成功で、何が失敗か、次回に語ろう。

<次回>

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