モヤシと鶏を食べに、イポーへ立ち寄る

<前回>

 日曜日はペナンからイポーに立ち寄って昼食を取ってから、スレンバンへ帰還する。本当は休日を避けたかったが、日程上どうしても祝日大連休の日曜日にぶつかってしまう。昼時のイポー、中心部の美食街一帯はひどい渋滞で、駐車場も混雑している。

 かろうじて駐車スペースを確保して、さあ食べようと。いつもの「老黄芽菜鶏沙河粉」(Lou Wong Tauge Ayam Kuetiau)が満席で、四つ角の対角線上に位置する競合店「安記芽菜鶏沙河粉」(Ong Kee Tauge Ayam)に入る。観光客に有名なのは「老黄」だが、味に関して「安記」がさほど負けているわけではない。

 イポーといえば、モヤシ。イポーのモヤシは野菜でなく、もはやフルーツの域と言っていいほどジューシー。「老黄」も「安記」もイポー産の一級品「デブモヤシ」を使っている。食材そのものは甲乙付けがたい。ただ制作工法の違い、あるいは加熱の時間の違いによるものか、「安記」のモヤシは「老黄」よりもややシャキシャキ感が上。分かりやすくいえば、「安記」のモヤシはサラダ、「老黄」は炒め物。それだけの差。

 鶏に関しては、「老黄」の鶏は柔らかくて豊穣な酒香が漂っている。肉厚も厚く弾けるような食感がたまらない。これに対して、「安記」の鶏は幾分痩せていて筋肉質になっている。肉よりも骨が際立って少々食べ辛い。肉もやや硬くペロリというわけにはいかない。その辺も好みだが、私の場合やはり、「老黄」の鶏を好む。

 別皿で砂肝やハツなどの内臓を頼んでみると、無性に酒がほしくなる。運転があるから、残念。主食は例によってスープ面。これも絶品。なによりもシンプル。鶏の出汁が効いたスープとモチモチ感たっぷりのきしめん。鶏料理の締めくくりにはこれしかない。

 ご馳走様でした。

<終わり>

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