列車、バス、館ホテルで楽しむ異色のペナン出張旅

 9月25日(水)早朝から、ペナンへの出張に出発。いつもは車か飛行機を使うが、今回は趣向を変えて行きは高速鉄道、帰りはバスで移動することにした。

 まずはクアラルンプール中央駅(KL Sentral)へ。到着して驚いたことに、空港と同様にビジネスクラス専用ラウンジが用意されていた。ラウンジでコーヒーを飲みながらしばらくゆっくり過ごしていると、搭乗案内があった。

 KL中央駅からペナン・バターワース駅までの距離は約350km。高速鉄道で4時間というのは、日本の特急程度で、マレーシアのインフラの発展途上ぶりが感じられる。中国資本が入る余地も大きいだろう。

 車内のサービスは充実しており、ビジネスクラスの料金は158リンギット(約4800円)。サンドイッチやナッツ、ジュース、コーヒーといった無料サービスがついており、コストパフォーマンスは良好だ。

 列車がクアラルンプールを出発して2時間が経過したところで、2度目の無料食事サービスが提供された。驚いたことに、今回はタイ風カレー。これが非常に美味しかった。

 バターワース駅に到着すると、同じプラットフォームにはオリエント急行が停車していた。かつては貴族の列車とされていたが、今ではすっかり大衆化している。しかし、時間があれば一度は乗ってみたいものだ。

 ペナンでの楽しみの一つは、「館」系ホテルに泊まること。今回は数えるほどの部屋しかない小さなホテル、The Magazine Boutique Hotelに宿泊。こうした小規模なホテルでは、オーナー一族と直接会話ができ、思わぬ情報を得られることもある。

 今回宿泊した館ホテルは築100年以上。パティオ風の中庭があり、突き抜けた天井から外の空気が流れ込んでくる。建物の中にいながらも、外の空気を感じられるのは贅沢の極みだ。

 この手の建築様式は、現代では効率を追求するあまり敬遠されがちだ。実用面積が減り、建築費も高く、清掃や維持に手間がかかるからだ。しかし、当時の人々の心の余裕を感じずにはいられない。現代の暮らしが便利になる一方で、こうした豊かさが失われているようにも思える。

 帰りはバスでペナンからスレンバンまで移動。距離は430km、料金はわずか60リンギット(約1800円)。座席にはマッサージ機能があり、思いのほか快適だった。運転するよりも寝ながら移動できるので、楽に感じられた。

 直行バスではあるが、クアラルンプールでの停車時間が長く、トータル的に時間がかかった。

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