琉球雑談~中国が沖縄に手を出すのか?

● 三正面作戦の悪夢──台湾有事で日本はどうなるのか

 沖縄だけではない。中露連合だけでもない。

 中朝軍事同盟は互助条約第2条に基づき、台湾有事に日本が介入すれば、それは日本による中国侵略と見なされ、北朝鮮は日本を攻撃することになろう。日本海側に北朝鮮、北海道にロシア、沖縄に中国という三角体制が成立したとき、日本は果たしてこれに耐えうるのか。しかも、その三か国はすべて核保有国である。

 繰り返しになるが、台湾有事への不介入宣言がどれほど重要であるか、改めて強調せざるを得ない。

● 台湾有事は本当に「始まる」のか──“由演転戦”の意味

 台湾メディアにおいても、「由演転戦」という言葉が使われ始めている。「軍事演習から本物の戦争へと転じる」という意味である。これは十分に可能であり、もはや「やるやる詐欺」ではなく、実際にやってしまう段階に近づいている。台湾統一は早期に完了した方が、日本にとっても、アジアの平和にとっても望ましい。

 このような発言をすれば、今の台湾では私が強制退去の対象となるかもしれないが、構わない。次回台湾を訪れるときには、もはや中華民国の入国スタンプすら存在しないかもしれない。そもそも国連においては、台湾は「中国台湾省」として位置付けられているのである。

● 中国による沖縄「静かなる統治」シナリオ

 中国による沖縄奪取はあり得ないと私が述べた主因の一つは、統治コストの高さにある。たとえば言語の問題を取っても、中国語を一般教育に定着させることは現実的ではない。ただし、中国語を第一外国語として導入することは可能である。中琉貿易の拡大や中国系企業の進出により、中国語能力が高く評価され、出世の条件となる仕組みも構築可能である。

 現代のアフリカ諸国でも同様の事例がある。中国語を中国人並みに話すアフリカ人が、企業や政府の中で次々と昇進している。語学力はもはやエリートの必須条件となっているのである。さらに、税制優遇、産業支援、インフラ整備など、日本政府にできないことを琉球政府が実施することで、琉球独立は中国にとってきわめて好都合となる。

 現代社会においては、物理的な国土奪取には過大なコストがかかる。とりわけ経済制裁による損失が大きく、米国を見てもわかるように、傀儡政権の擁立こそが最も効率的な戦略である。

● 米軍撤退後の琉球──中国軍基地の現実的風景

 琉球独立論の続きを述べると、政治・経済・文化のみならず、防衛問題が避けて通れない。これまで在日米軍基地は日本本土防衛の一翼を担ってきたが、琉球が独立すれば、その役割は琉球自身の防衛へと変わる。仮に中琉安保条約が締結され、中国軍が米軍の基地を引き継ぐとなれば、その存在感は米軍よりも数段控えめとなろう。大音量の離着陸は減り、治安問題(万引きや性犯罪)も発生しにくくなる。そもそも中国軍人に自由な外出権が与えられない可能性すらある。このような光景が現実のものとなっていくのではないか。

● 琉球は富裕層の逃避地となるか──金融と税制の独立戦略

 琉球独立論の最終章は、金融である。琉球に富裕層向けの移住ビザや税優遇制度を導入し、資産5億円以上の者を対象に「リッチマン・アイランド」化を図る。日本本土から超富裕層を誘致することで、数十兆円規模の金融資産が本土から琉球に移転する可能性がある。日本人富裕層は、もはやシンガポールに移住する必要がなくなる。日本語が通じる「外国」に拠点を持ち、本土非居住者として節税が可能となるのである。

● 台湾戦争は中国が勝つ──なぜ「背水の陣」なのか

 台湾戦争においては、中国が必ず勝利する。なぜなら、軍事力の格差という表面的な要因を超えた、根本的な事情があるからだ。仮に台湾が敗北すれば、台湾人は一夜にして中国人となり、翌日から普通の生活に戻る。しかし、中国が敗北すればどうなるか。台湾が独立を宣言し、それが国際的に承認されれば、習近平政権はもちろん、中国共産党の統治そのものが崩壊しかねない。まさに中国にとっては背水の陣であり、敗北は許されないのである。ゆえに、中国は台湾が廃墟と化そうとも、勝利するまで戦い続けるであろう。

● 二度目の敗戦と「台湾=国家ではない」という現実

 では、日本が台湾に軍事介入し、その結果台湾が敗れた場合、日本には何が起こるか。日本は台湾が中国の一部であることを承知の上で、いわば中国の内戦に介入したことになる。これは中国に対する二度目の侵略であり、そして二度目の敗戦でもある。第一次の戦争賠償を放棄した中国が、今度もそう易々と引き下がると本気で思っているのか。戦争賠償、領土割譲……。今でさえ疲弊しきっている日本に、果たしてそれに耐える余力が残っているのか。

 日本政府が「台湾が中国の一部である」という主張について、中国の立場を理解しているに過ぎず、認めているわけではない、と主張する人も少なくない。だが1つ問いを投げかけたい。二重国籍を認めない日本において、台湾に帰化した日本人がなぜ日本国籍を保持し続けることができるのか?答えは明白である。日本にとって、台湾は「国家」ではないからである。国籍取得もへったくれもなく、中華民国の旅券など、せいぜい「近所のレストランのポイントカード小冊子」に過ぎないのだ。

※本稿は、国際情勢に関する仮説的視点に基づく分析を目的としたものであり、特定の政治的立場や行動を推奨するものではありません。。

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