作為リスクと不作為リスク、できることとできないこと

 4月23日、赤坂アークヒルズで、「ミャンマー外国投資法実施細則・投資実務セミナー」(東京クラス)を行った。

97357_2ミャンマー外国投資法実施細則・投資実務セミナー(東京クラス)

 「中国から移転を主に意識したミャンマー事業」という日本企業は増加中。当社が昨年11月に、ミャンマー進出を決めてからわずか半年、日本企業の意識や姿勢に大きな変化が見られた。

 先日、シンガポールにある某社アジア統括本部から、ミャンマーをはじめとする東南アジア新興国の進出戦略についてビデオ・メッセージを求められたが、私は次のポイントを指摘し、コメントを送った。

 まず、リスクには、「作為のリスク」と「不作為のリスク」がある。企業は新規事業進出にあたって「作為のリスク」に注目しがちだが、同時に「不作為のリスク」、つまり「No Action」のリスクも丁寧に評価すべきだ。

 次に、「できること」と「できないこと」。法務意見も含めたフィージビリティ・スタディでは、「できないこと」が数多く挙げられるだろう。本当にできないのか、目的を見つめて、ほかのやり方があるのかもしれない。「できない」ことを「やらない」(不作為)の理由にしてはならない。

 最後に、「いま現在、できること」とは何かを考え、すぐに着手することだ。機会はすべてのプレイヤーに公平だが、サクセスストーリーはリスクテーカーの勲章となる。

 ミャンマーには、数え切れないほどのリスクがあって、数え切れないほどの機会がある。いま出るか、3年後に出るか、結果は大きく違ってくるだろう。

 今後は、ミャンマーセミナー・勉強会の定期化を実現させたい。