ブルネイ(5)~生れつき資産家、天然格差への妬み

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 1億円もする世界一のシャンデリアを一目見たくて、伝説の7ツ星ホテルを一度体験したくて、今回ブルネイ滞在の3泊は、エンパイア・ホテル&カントリークラブに投宿する。

150501-2038-Brunei-Empire_011億円もする世界一のシャンデリア

 一歩ロビーに踏み入れると、圧巻。金、金、金、大理石、大理石、大理石・・・、そして紺碧の海を眼下に納める巨大なアトリウム。

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 エンパイヤは王宮の迎賓館として2000年のアセアン会議に合わせて建てられ、まさに国力の誇示であり、世界トップクラスの金持ち小国ブルネイの縮写でもある。

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 ホテル全体的に、とにかく大きい。日本人から見ればなんでここまで無駄なスペースを設けるのか、というくらい空間が大きい。廊下もエレベータホールも信じられないほど広い。誰も座らないのに、あちこち高級そうなソファが配置されている。

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 一般の客室の天井がここまで高いのも初めて見た。それに大きなバルコニー、これも「く」の字になっていてミニパーティーができるほどの広さ。もちろん、海一望。

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 三重県と同じ大きさの国土しか有さないブルネイ。その豊かさを支えているのは石油と天然ガス資源である。働かなくても石油が出る限り、暮らしていける。いや、贅沢に暮らしていけるのだ。まるで代々資産家の家とサラリーマンの勤労家庭、資源国と非資源国、生れつきのこの天然格差。公平といえるのだろうか。気がつくと、自分の内心に芽生える妬みの感情を一生懸命抑えようとする自分がそこにある。

 資源の乏しい我が日本。資源のために戦争を起こしたといっても過言ではない。もし日本がブルネイのような資源国だったらどうなっていたのだろう。なんてことはありえないし、考える意味もない。それよりも、ブルネイが日本のような非資源国になったらどうなるのか、これを考えながらこの国を眺めてみたい。

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