リストラ希望者の不幸、人生色々中国のリストラ物語

 昨日は上海で「中国リストラ戦略・実務セミナー」を満席開催。予想もしないような、日経新聞のトップを飾るような日系大手企業も出席されていることには正直少々驚いた。質問もいつもより多かった。

 リストラはある意味で後ろめたさを感じる部分もあろうが、それを最終手段にし、それまでは生産性の向上に最大な努力を払うべきであろう。生産性も限界に達し、欠損が拡大すれば企業自体の存続に影響を与え得る段階まできたら、リストラも考えざるを得ない。

 ただ中国では労働法上規定のリストラをそのまま実施するにはかなりの困難が伴う。労働行政当局に認めてもらうためにも企業は深刻な経営難に陥っていることを自ら証明しなければならないので、簡単ではない。さらに労働組合や従業員代表大会との協議もまたまた難関である。

 さらに何よりも一番難しいのはやはり従業員である。そこは日本企業が一番誤解しやすいところでもある。リストラは従業員を路頭に迷わせるものだと考えているからだ。リストラで路頭に迷う人もいれば、クビを長くして、はいクビを切ってくれとリストラを心待ちにしている人もいる。これは中国の特徴だ。

 辞表を出して一身上の都合で会社を辞めたら経済補償金が一銭も出ない。そこで手厚く補償されるリストラを切望するわけだ。最終的にリストラを望まない人がリストラされて不幸になるだけでなく、リストラ希望者でリストラしてもらえなかった人まで不幸になるのである。

 リストラは難しい。中国のリストラがもっともっと難しい。

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