現代の暴力、「意志のレイプ」に反抗しての世界解釈

 「グローバリゼーション」や「保護主義」。現代世界では、あまりにもたくさんの対立項「A vs B」を与え続けられると、人間はつねに規定された選択を強いられ、まさに「意志のレイプ」にほかならない。

 トランプ氏は「グローバリゼーション」の負の側面に着目し、「保護主義」の積極的効用を少なくとも限定的であれ、米国民や世界に見せつけてくれた。それだけに、彼の反時代的な反骨精神が新たかな時代の可能性を引き出した。

 ニーチェいわく「『 真実』など存在しない、あるのは『解釈』のみである」。これ自体も、哲学者ニーチェの世界に対する一種の解釈であろう。ならば、人間はより自由に世界を解釈する権利や意志をもってしかるべきだ。

 思うに、世界を解釈する自由は、金銭の自由や、時間の自由や、場所の自由、ないし言論の自由を超越した最高次の自由である。無論、これは私という人間が行った一種の解釈にすぎない。

 自由な解釈は、他者の同調を得る必要はない。それこそ自由の極意である。無論、自ら自由を放棄するのも、不自由を受け入れるのも自由である。

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