私、納棺師になりたい!中国版おくりびと人材募集に新卒殺到

 私、おくりびとで~す!(新華網より)
 「私は、納棺師になりたい!」
 「葬儀場で働かせてください!」
 「私、喜んで遺体を運びます!」
 ・・・
 中国版「おくりびと」が上海で実話再演!

 邦画「おくりびと」のアカデミー賞受賞を受けて、私が、このブログで『送り人と泣き女、静粛と号泣、日本の「死」と中国の「死」』(09年2月25日掲載)を書きましたが、まさか、こんな早く中国版「おくりびと」のコピー作が出回ると思いもしませんでした。

 3月20日、上海葬儀業が、新卒向け初の業界共同就職募集会を行いました。418名分の募集に対し、5000人の新卒が殺到、そのほか履歴書3220通・・・

 「おくりびと」が中国でも大ヒット?と思ったら大間違い。不況で就職先が見つからない新卒が、ついに「あの世」関連業界にアタック!

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 募集会当日午前9時30分、「上海葬儀業大卒募集会」垂れ幕の会場外、すでに数百メートルの列が出来ていた。名門葬儀場の龍華葬儀館や福寿園のブース前は、押すな押すなの大盛況。これじゃ、死者でも出したら、即仕事になりそうだと、冗談言っている場合じゃない、すぐさまに入場制限!

 「世界一人気の葬儀業募集現場」として、ギネスブック級といっても過言ではありません。

 応募職位の人気ナンバーワンは、「防腐整容師」、遺体のメイクアップ役です。葬儀場の月給は、通常1500元~3000元ですが、遺体との接触度が高いほど給料も正比例で上がるわけで、三分の一の人は、この「防腐整容師」に応募している。

 そのほかに、「葬儀デザイナー」、「墓地デザイナー」、「墓苑デザイナー」、「葬儀マーケティング」などと多彩な職位がありますが、あれあれ、「泣き女」の職はないのか?

なお、面接の前に、2日間の実地研修、遺体とのご対面も予定されています。肝試しも兼ねて、応募者本人の本気度をチェックします。

 さて、葬儀屋の仕事に対し、新卒たちはどう思っているのだろうか。

 「給料が良い、福利も良い・・・」
 「業界全体的に安定している、不況にも強い」~確かに、不況でも、死ぬ人は死にますから・・・
 「変に見られるかもしれないが、社会に欠かせない仕事だから」
 ・・・

 大丈夫ですか?何だか、動機付けは弱々しくありませんか?人の新たな旅立ちに送り出す手伝いとして、聖なる使命感で、もう少し堂々たる態度を出してもらいたいものですね。

 がんばれ!中国のおくりびとたち。

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