南シナ海、ポンペオの「完全違法」声明が意味すること

 ポンペオ米国務長官は7日13日、声明を発表し、中国が進出を強める南シナ海での領有権の主張について「完全に違法だ」と述べ、明確に否定する方針を示した。

 これは、ある種の布石ではないかと思う。可能性が大きいのは、台湾領の太平島への米軍進駐(形上占領でもいい)。これが実現すれば、米軍による南シナ海全域の常時制御が可能になる。さらに米台関係の本質的変化をも意味する。

 4年前の南シナ海判決(1982年の国連海洋法条約附属書VIIに基づく南シナ海問題に関するフィリピンと中国の仲裁裁判)の期日に合わせてポンペオ氏が声明を発表したのは、ある強いメッセージを送ることになった。つまり、南シナ海問題において米国がずっと中立的な立場を取ってきたのだが、これではっきりと中国の敵側に立つことを表明した。

 この声明は、米中関係が折り返し地点に差し掛かったことを示した。冷戦ないし熱戦によって決着をつけると。

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