ベーシックインカムで明るい農村を創れ、コロナ禍による産業構造変化

 日本人は農村を目指せ!ベーシックインカム制度は、産業構造の調整を意味する。大幅に委縮する第三次産業から流出する(排出される)大量の労働力には、第一次産業と第二次産業がその受け皿となる。

 日本の第三次産業は過剰である。ITの最先端を走ることができない以上、質的優位性を失い、量的過剰に陥り、世界的競争にすでに負けている。コロナ禍が単にこの問題を早期顕在化させただけだ。神の意志といっても過言ではない。

 「おもてなし」という日本のサービス産業の優位性は凋落した。理由は3つある――。

 第1、「おもてなし」の定義が多様化している。特に海外市場となれば、発信側(供給側)と受信側(需要側)の概念共有ができていない。同床異夢的な「供給と需要の質的ミスマッチ」である。

 第2、「おもてなし」抜きの商品・サービスの基幹機能の低価格提供への需要が高まっている。いわば付加価値を不要とする消費者ニーズの拡大。「供給と需要の量的ミスマッチ」といえる。

 第3、「おもてなし」の美名下で繁殖した無駄や生産性低下が限界まで来ている。これが一番大きな問題だ。

 コロナ禍がこの構図を浮き彫りにしてくれた。この先は、第三次産業の縮小が着々と進むだろう。余剰人員の受け皿は、中国から撤退し、国内回帰した一部の製造業(第二次産業)と「明るい農村」(第一次産業)にほかならない。日本人は工場現場の労働者になり、農業従事者になる。

 そうした中でのベーシックインカム制度は、生活の基本的保障を提供する。7万円のベーシックインカムで不労生活を送れということでは決してない。くれぐれも誤解なきよう、国が説明責任を果たさなければならない。

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