マレーシアはフード宅配天国(3)~中華系・断食哲学

<前回>

 オートファジー(2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞、大隅良典先生)の理論に基づく間歇的断食を、1か月以上実践してみた。16時間の断食は最初だけ辛かったが、慣れると全く問題ない。最近、運動する日は16時間の断食、運動しない日は18~20時間の断食をしている。1日2食か、1.5食、あるいは1食になった。

 フード宅配も早い時間帯に頼むと、お店が余裕をもって準備できる。断食も相まって、早めの夕食になる。1日1食の場合、好きなものを食べられるし、酒も普通に飲む。マレーシアは日が暮れるのが遅い。17時か18時台に夕食を食べ始めるから、明るいうちに酔いが回ってくる。その感覚はなかなかいい。

 私の場合、断食16時間経過すると、徐々に飢餓感が現れる。1日3食の生活では、ほぼ飢餓感を味わうことなく、飽食の堕落すら実感する。そこからの変化が大きい。毎日数時間飢餓感と共に過ごす時間は貴重。頭脳・思考が抜群に働く時間であり、また自分と闘争する精神がもっとも旺盛な時間でもある。

蠔煎蛋(牡蠣卵炒め)

 ニーチェが目指す絶えざる「自己超克」、不毛な「明日なき逃亡」の拒否、能動的・創造的ニヒリズムの存在を感じさせてくれるのは、フィジカルな飢餓感である。

塩煎馬来鶏(鶏のマレー風塩揚げ)

 話を戻そう。マレーシアのフード宅配の大きな部分を占めているのが中華系。商売の熱意でいえば、やはり華人に勝るものはない。中華料理店は大体どこもデリバリーOKだから、選択肢が広い。

紅焼猪手(豚足のとろとろ醤油煮込み)

 ただ、中華料理が冷めるとまずくなるので、メニュー選びが重要。加熱してもおいしく食べられる肉の煮込み系なら、何日置いても問題ないので、多めに注文するようにしている。うちのフィリピン人メイドも豚肉の煮込み料理が大好きで、みんなでシェアするには都合がいい。

<終わり>

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