「NFT」(Non-Fungible Token=非代替性トークン)、最近話題になっている。次々と数千万円ないし数億円という高額でNFTアートが売られ、Web3.0やブロックチェーンに絡んでいるだけに、注目を集めている。
NFTアートとは、デジタルアートと「NFT」を掛け合わせた作品のこと。アートはあくまでも取引される対象物であり、注目すべきはその取引手段と形態、概念それ自体ではないかと思う。
唯一性を証明できる、作成者や所有者そして取引履歴を改ざんできない。という特徴において、アートがもっとも適用しやく、まっ先に取引対象となるわけだが、実は一般論化して射程をどんどん拡げることができる。
アートの場合、そのオリジナル作品の唯一性が価値を生み出す源泉だが、たとえば組織に置き換えると、意思決定の形成過程(履歴)が重要になってくる。
あるアイデアが生まれ、それに様々な当事者が意見を出し合い、検証し、修正し、実施していくという過程が改ざんできない履歴となった場合、意見を言わない、忖度する、「空気」に便乗するといった日本型組織の運営スタイルが成り立たなくなる。「みんなが決めたこと」では済まなくなる。
トークンが意思決定をはじめあらゆる業務プロセスに付与され、それが人事評価に取って代わる。ゴマすり上手だが、トークンを獲得できない人は出世できなくなる。さらにAIが意思決定の主役になり、AIがトークンばかり獲得していると、もうそこは人が要らないとリストラを断行する。リストラの決定にトークンが付いてきたりする。
そういう段階に至れば、私のような経営コンサルタントも要無しとなり、AIや他者でできない提案をしたりできた場合にのみ、トークンを獲得できる。と、まさに過酷な時代だ。