プーケットの週末(2)~崖の上のタイ料理レストラン

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 滞在するリゾートは、1つのレストランしか運営していない。メニューを眺めても魅力をあまり感じない。そこで外で食べようと決心。ホテルから出て坂を登って1km先の崖にある絶景レストラン「Romsai」。客はほとんどローカルやタイ人観光客。タイ産のラム酒は1本900円。観光客ぼったくりから脱出しての歓びが大きい。

レストラン「Romsai」

 プーケットは島ごとグルになって観光客から巻き上げようと、ぼったくり島になったのだ。プーケットの正規メータータクシーは元々バンコクより数割高い。今はメーター無視。全て言い値。ホテルもグル、呼んでもらったら、僅か3kmでも300~400バーツ(約1000~1500円)。格安になっているはずのGrabも一味徒党、450バーツからともっと法外な料金を取っている。コロナの巻き返しであることは分かるが、ここまで「集団結託」となるといささか反感を覚える。

レストラン「Romsai」

 6年ぶりのプーケットにはがっかり。微笑みの国の中の微笑まない場所になった。人たちは観光客を生産ライン上の製品のように扱っている。無表情に事務的に。なるべくたくさん巻き上げようとする。

レストラン「Romsai」

 2004年の津波直後に周りの批判を押し切ってプーケットに私はやってきた。シーフードを半額で売る業者に全額を払おうとした時、涙ぐんだあの表情、今でも忘れられない。しかし、コロナ明けのプーケットは無表情で金の欲しさで貪欲的でさえあった。どちらも自然災害だったが、この違いは何だったのか、私は考え込んだ。

レストラン「Romsai」

 「Romsai」は良心的なレストラン。料金はホテルや高級レストランの半分くらい。料理も素朴なローカル風で美味しい。「スパイシーにしてくれ」と頼んだら、口から火を吹くほど辛い料理が次から次へと出てくる。

レストラン「Romsai」

 ご馳走様でした。

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