ランカウイの旅(1)~熾烈な交渉、レストランへの酒持ち込み

 10月19日(水)、翌日の誕生日祝いに家族でランカウイ島へ2泊3日の小旅行。飛行機に乗ってまず驚かされたのは、客室乗務員が全員ノーマスク状態だったこと。乗客は3割ほどノーマスク。これで大丈夫なのか。コロナはまだ終わっていないぞ。

 ランカウイは免税の島で有名だ。よく調べずに来てみたら、調達したい葉巻は対象外で売っていない。アルコール類は島外の来訪者のみを対象に売っているのだが、基本的に滞在中の島内消費分のみだという。仕方ない。せいぜい酒浸りの誕生日祝いにしようと、とりあえず安いお酒を数本購入。

 お酒を購入したのはいいが、レストランへの持ち込みに問題が生じる。高いCorkage(栓抜き・持ち込み料)がかかる。マレーシア本土の場合、少なくとも中華レストランはよほどの高級店でもなければ基本的にお酒持ち込み自由でしかも無料。しかしランカウイは違う。アルコール度数に応じて持ち込み料を請求してくる。

 夕食の中華海鮮料理店では、60リンギットもの持ち込み料がかかると言われた。それでは話にならない。交渉だ。レストランのオーナーに選択肢を与える――。10リンギットの持ち込み料しか払わない。その代わりに店の平均客単価を上回る消費金額を保証する。それがダメなら、ほかの店へ行く。

 オーナーも負けていない。その界隈のレストランはみんな持ち込み料を取っているから、どこへ行っても同じ相場だと一点張り。「あっそうですか。ではこれから他店を回って同じ条件を提示してみよう。もしどこかの店が私の条件を飲んでくれたら、あなたのこの商売は吹っ飛びます。それでいいですね」。「ちょっと待って」、最終的にお酒持ち込み料10リンギットで取引が成立。

 ゼロサムゲームは意外とよく効くのだ。

<次回>

タグ: