コタキナバル(5)~本物地元レストラン、海鮮をたらふく食べる

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 キナバル山でイノシシ肉を飽食して市内に戻ると、さすがに夕食は腹いっぱいで食べられない。遅い時間帯にホテル近辺の屋台からスープ系のものを買い込んで、部屋で軽く済ませる。

 翌日11月15日(火)、胃袋は完全復活。昼間は軽く街を散歩し、海を眺めてホテルのプールで泳ぐ。何よりも、楽しみは夕食のシーフード大食い――。ガイドの家族もよく食べに行っているという本物の地元海鮮レストラン「Sasa」。

 コタキナバルは、中心部は徒歩でも歩けるような小さな街である。しかし、「Sasa」は中心部から10km以上も離れた住宅街にある。観光客はまったく来ないし、知られてもいない。正真正銘地元の店である。華人オーナー以外のスタッフは、英語も中国語も通じない。

 案の定、大きな生簀は何個も並んでいる。難点は食べる予定だったロブスターが大きすぎて、それで満腹になって他は食べられなくなることだ。ロブスターは翌日に譲ることを決意し、第1陣の注文を始める。

 この手の中華レストランは注文すると、一気に料理が運ばれる。酒飲みの私はゆっくりつまみたいので、何回も分けて注文する。まず生牡蠣には、シャンパンでもシャブリでもなく、中国の白酒。これはマリアージュよりも、火と油の関係だ。牡蠣の香りが白酒で燃えている。過激すぎる。

 蟹やら蝦やら、第2陣、第3陣へと料理が運ばれてくると、主食にたどり着かなくなる。マレーシア人はこのような食べ方はしない。一気に料理とライスが運ばれて食べて終わりなのだ。マレー語で米・ご飯のことを「ナシ」という。「ナシはどうしますか」と聞かれるまでもなく、「ナシは無し」である。

 予算など気にせずシーフードをたらふく食べられるほど贅沢なことはない。マレーシアの醍醐味である。今日もまたまた飽食の日になってしまった。ご馳走様でした。

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