コタキナバル(7)~ロブスター、セミエビ、オコゼ・・・

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 11月16日(水)。コタキナバル滞在4日目、最終日の夕食は、知味海鮮餐庁(Imperial Seafood Restaurant)で食べる。綺麗な大型店舗とこの店との2店舗が最終候補に残っていたが、迷うことなく私はこの小さなレストランにした。

 まずは生簀チェック。全体像を捉えるには、これしかない。そこから活きの良い何種類かを選定し、調理法も合わせて大筋の献立を自分のなかで組んでいく。店側のお薦めにも耳を傾ける。本当に新鮮で良質なものを薦めてくるか、それとも値段・利益率の高いものを売りつけようとしているのか、お店の姿勢を見極める。

 ロブスターは小ぶりで活きの良いのがあったので、これに決めた。マレーシアの水産品は基本的に安いが、ロブスターだけは別格。平均して1食の料金の半分以上を占めるから、予算とも相談しなければならない。ここのロブスターは100g当たり30リンギット(約900円)。2人で食べるなら1kg弱でも十分だ。予算としては200~300リンギット(6000~9000円)が妥当といえる。

 調理法は、刺身。殻は最後に、中華風のお粥。マレーシアの場合、いまどこへ行っても、刺身を作ってくれるが、わさびだけは激辛のチューブものを使っているところがほとんどなので、好まない。どうやら現地人は、わさびは辛いほど殺菌作業があって生物でも安心して食べられると思い込んでいるらしい。そのへんは消費者教育も必要なかろう。

 ロブスターは基本的に加熱調理が主流だが、活け造りでいただく場合は、鮮度が特に要注意だ。もちろん、食べる側もそれなりのリスクを負わなければならない。といっても、ロブスターの刺身は美味。

 ロブスターを食べ終えたところ、「Slipper Prawn」も欲しくなった。日本語では、セミエビ、ゾウリエビ、あるいはウチワエビという。このレストランで出されているのは、セミエビである。セミエビは伊勢エビの仲間で、味は伊勢エビと互角かそれ以上という食通もいる。さらに、日本では、料亭や寿司屋で出される高級食材で、とても高価なものだと。

セミエビの椒塩炒め

 ここでは、値段は覚えていないが、それほどは高くない。椒塩炒めも良い具合に出来上がっていて素晴らしい1品である。この系統の海鮮料理には何と言っても中国の白酒が合う。ただあまりの美味しさに酒がどんどん進み、アルコール度数が高いので、記憶喪失にならぬよう注意しなければならない。

 魚は何にするか。今日はオコゼの出番だ。広東料理風の蒸し魚にし、ロブスターのお粥も出来上がったので、少々贅沢な締めくくりで白酒の酔いも回り、昇天。ご馳走様でした。

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